2021年2月26日

働き方改革のほんとの目的とは その1

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こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。

今日のコラムでは、
ブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が、
「働き方改革」について思うところをお伝えします。

ウイズコロナ時代でもなかなか進まないですよね、テレワーク。
ディープビジョン研究所はテレワーク対応も進み、
オフィスも創業以来の表参道から、コロナ禍を受けて、
江上の自宅近くの新横浜駅そばへと移転。

来月で半年になりますが、完全テレワークとはならず、
江上は出張しています。

*新幹線の中からキレイでした~ 撮影:江上隆夫

それでは、早速。
「働き方改革のほんとの目的とは」

 

 

さて、突然ですが
働き方改革って何ですかね?

 

“働き方改革は、一億総活躍社会実現に
向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を
可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、
格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を
実現するため、働く人の立場・視点で
取り組んでいきます。”

 

これは首相官邸の規定なんだけど。

早い話がみんなが活躍できる社会って
ことでいいかもしれない、と思いますよね。

でも、背景の事情を知ると
働き方改革には大きく2つの意味があって。

ひとつは日本の労働人口は
どんどん減る運命にあるということ。

もう一つは、日本の労働生産性が
すっごく低いこと。

この2つを前提にした「改革」が
働き方改革だってことは
知っておいた方がいいかも。

これから日本の人口が減るって
知ってますよね。

ほっとけば100年で3分の一の
4000万人になる。

これ、人口で言えば
ほぼ明治時代に逆戻りということですね。
社会的なインパクトはかなりもんです。

当然、働ける人も税収も何もかも減ります。

働ける人も税収も減るということは
社会を維持していくことが色々なところで
キツクなっていくことを意味します。

かなり、かなり厳しくなる。

ということは

1)長く働くこと。
2)だれもが働けること。
3)いろいろな場所で働けること

をできるようにしなきゃならない。

その意味では「働き方改革」は
「働く環境改革」なんです。

もうひとつ重要なのが
いまの時給や低い給与、長い労働時間では
みんななかなか幸せになりにくい、ということ。

まず、日本の労働生産性って
OECD加盟国36カ国中20位で、
主要先進国でも最下位って知ってました?

2019年の日本の時間当たり労働生産性は
だいたいアメリカの3分の2程度。

主要先進7カ国でみると、
じつは1970年以降、最下位なんですね。

ずーーーーーーーっとです。

ほぼ50年!

なんでか?

たぶん想像するに、
明確な方針やコンセプトがなく
目標の売上に向かって
「おら売ってこい!営業は死の行進だ!」っていう
日本的な状況がそこかしこに
はびこっているから(笑)

いや、これ笑いごとではなく
本当にそう思うのです。

会社は長時間労働で、正規も非正規も
こき使いながら、意味のない会議を
えんえんと繰り返す。

意味のない書類をえんえんと書き散らかす。

という日本企業の悪癖をやめて
生産性を上げない限り、
つまり短い時間と手間で大きな成果を上げないと
キビシイじゃん、というのが
この働き方改革のうらにあります。

ほとんどの会社は自分とこは
それほどじゃないだろうという
錯覚の中にあります(笑)

だから、働き方改革は、人口減と労働人口減を前提にした

人生100年時代(みんな80歳くらまで働こうね)
一億総活躍(みんなが働かける社会をつくろうね)
労働環境改善(生産性をがんばってあげよう)

の改革なのです。

ここでのポイントは、
企業の成功例を出すことだと思う。
ロールモデルをいかに創るか。

つまり、みんなががっつり真似できるモデル
「終身雇用、系列、カイゼン」みたいなものを
つくれたら上手く行く可能性が高い。

真似る、カイゼンするのは日本企業うまいから。

ま、いろいろあるけど働き方改革、
うまく行くといいですね!

 

いかがですか。

ぜひ、貴社の、あなたのブランディング戦略に
お役立て下さい。

引き続き、今週のヒマラヤFMも
メッセージに引き続きお聴きください。

 

先日のこちらのコラムで
デザイン経営について触れました。

簡単に言うと、
デザイン経営とは
ロジックとクリエイティブ発想の素早い往復で
社会にイノベーティブなプロダクトやサービスを
提供していく経営方法です。

デザイン経営は
デザイン思考と言われる問題解決思考を
取り入れた経営手法でもあるのですが。

このデザイン思考は
問題の解決方法が
まったく分からないときに
その解決方法を
発想する手法として有名です。

そして、このデザイン思考の原点に、
たくさんのあやふやな情報から
何らかの発想や視点を生み出す方法として
「KJ法」という方法があります。

「KJ法」は
私が学生時代だったころから
有名な発想手法で、、、、

1960年代に、
文化人類学者の川喜田二郎先生が、
人類学の調査をした膨大な情報を整理し
そこから新しい発想を得る
手法として開発したものです。

川喜田二郎先生の
川喜田のkと、二郎のJで、KJ法です。

この方法をブランドづくりや
色々な物事を整理して発想するのに、
私はめちゃめちゃ愛用しています。

なぜかというと、
たくさんの情報にかくれている
物事の本質が、すごく簡単に
浮かび上がる手法だからです。

これ以上の方法って
ひょっとしたら、どこかに
あるのかもしれないけど、
私は出会ったことがありません。

今週のヒマラヤFMは、
この「KJ法」のご紹介です!

第179回ブランディングの作法-その7 じぶんの本質に出会いたいならKJ法
https://www.himalaya.com/ja/player-embed/99846/131589232

いかがでしたか。
次回の更新もお楽しみに!