2021年7月26日

世界は「役に立たないことの豊かさ」で出来ている

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こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。

オリンピックが始まりましたね。
開会式を見ていると、世界にはさまざまな国があると
あらためて実感がわきますよね。

さて、今日のコラムではその「世界」についてです。

ブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が、
「世界は「役に立たないことの豊かさ」で出来ている」といいます。

それでは、早速。

 

 

大栗博司さんという科学者の方が
いらっしゃいます。

素粒子論を専門にする物理学者で、
世界的に名を知られた
日本が誇るTOP研究者です。

私は、高校の物理では赤点ばっかりで
理系にはかっらきし弱い人間ですが、
なぜか最先端の物理学の動向は大好き。

大栗先生の一般向けの物理の本も
「重力とは何か」「強い力と弱い力」と
2冊を読んでいます。

その大栗先生の最新刊が
ベストセラーになっている
「探求する精神 職業としての基礎科学」です。
(幻冬舎新書)
https://amzn.to/3rtzDVr

半自叙伝と言っていい内容で、
物理のブも分からない私のような者でも、
安心して読めます。

基礎科学は、
まったくの無用の長物のように
扱われることが多くあります。

特に宇宙物理や素粒子のような
最先端部門の研究には莫大な資金が必要です。

ノーベル賞を2つも生み出した
スーパーカミオカンデの建設費は104億円。
http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/sk/

2027年に稼働が始まる
ハイパーカミオカンデに至っては
建設費800億円、年間経費300億円です。
https://bit.ly/3rvo3Jm

で、何を探求しているのかというと

・CP対称性の破れの測定
・ニュートリノ質量の順番の決定
・宇宙ニュートリノの観測
・陽子崩壊探索

私に説明は一切できないので
ご自分で調べていただくとして(笑)

宇宙を構成する根幹となる物質の
極限のふるまいを調べようとしている、
ことだけは分かります。

本当に何の役に立つんだろうと思いながらも、
「こういうこと、どんどんやれ!」と思う自分もいます。

なぜか?・・・・・・・純粋な好奇心です。

宇宙ってどうなっているの?
存在するってどういうこと?
人間って何なの?

2500年前の意識の時代の始まりから
人間が追い続けてきた「問い」に対する
答えを知りたい!という気持ち。

それに応えるのが基礎科学です。

大栗先生の本に、
プリンストンの高等研究所の
初代所長アブラハム・フレクスナーの
言葉があります。

「役に立たない知識の有益さ」
と題したエッセイからの引用です。
孫引きになりますが以下のものです。

========================
科学の歴史において、人類に利益をもたらした
重要な発見のほとんどは、役に立つためではなく、
自分自身の好奇心を満たすために研究に
かきたてられた人々によって成し遂げられた。

このように役に立たない活動から生まれた発見は、
役に立つことを目的として成し遂げられたことよりも、
無限に大きな重要性を持つことがある。
========================

最近、個人的によく考えるのが
「役に立たないことの豊かさ」です。

日常をよ~く見回してみてください。

私たちが喜びを得るものの、かなりの部分が
「役に立たない」ことであることに驚くはずです。

 

いかがですか。

ぜひ、貴社の、あなたのブランディング戦略に
お役立て下さい。

引き続き、記念すべき!?第200回のヒマラヤFMも
メッセージに引き続きお聴きください。

 

 

私たちは、いま
答えのない世界に向きあっています。

ま、ずっと人間は、
そうだったと言ってしまえば
言ってしまえるのですが(笑)

それでも答えの出にくい難問が
ゴロゴロと転がっているのが
現代社会です。

そのときに必要になる能力が
この答えの出ないことに
向きあう能力です。

つまり、少なくとも私が受けた
小中学校から大学までの教育で
その能力のことを伝えくれたものは
無かった。

乱読しながら触れた本の中の一節に、
その能力のことを記したものは
あったかもしれませんが。

現代は、私たちの「半径3m」以内の問題は
そのほとんどが解決されています。

生活の不満、不便、不安に関することです。
もちろん、ディティールの問題は残っています。

その問題が解決されていない地域もありますが、
それでも解決の方向にあると言っていいでしょう。

残されたのは「半径6371kmの問題」、
地球規模で人類社会全体で
解決しなければならない問題、です。

それは、私たちの
ビジネス上の課題ともリンクします。

その課題を解決するにあたって
喫緊に求められる能力。

第200回のヒマラヤFMは
その能力のことを話しています。

ぜひ!お聞きください。

第200回ヒマラヤFM
答えの出ない事態に耐えうる「能力」について
https://www.himalaya.com/ja/player-embed/99846/141659736

 

 

次回の更新もお楽しみに!