2023年5月1日

思考のショートカットを許さない

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こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただきありがとうございます。
 
今回は、ブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が
「思考のショートカットを許さない」についてお話しします。
 
このショートカットする思考のクセが、
問題解決を大きく阻んでいることがあります。

思考のショートカットはどういうことか、
それでは早速チェックしてみてください。

 

 

問題解決を進めるときに
注意しなければならない
ワナがあります。

きょうは、そのうちの
影響が大きい一つをお伝えいたします。

 
そのひとつとは
「思考のショートカット」
です。

思考習慣がない。
あるいは思考のスキルが
不足するがゆえに起こるミスです。

 

思考のショートカットとは・・・

 
自分の体験からの推測や、
その場だけの判断にもとづいて、
いきなり結論らしきものを出し、
さらには行動まで飛びついてしまう
ことを言います。

 

たとえば・・・

【最近、少年による無差別犯罪や
組織による詐欺犯罪のニュースが
頻繁に流れている。

この犯罪増の流れは非常に良くないので
法律を厳罰化し、取り締まりを
強化するのが犯罪減少の最良の手段だ。

では早速、実行しよう。】
 
・・・ということが示されたとします。
 
さあ、このどこがマズイのか?

 
読者のみなさんは、
すぐに気づくと思いますが
このロジックには
相当なムリがあります。

 
 
まず・・・

1)「頻繁に流れる」はただの印象にすぎません。
誰かの主観による判断情報です。
 
2)また「ニュースで頻繁に流れること」が
犯罪増に本当につながっているのか。
  検証すべきデータが一切示されていません。
 
3)さらに犯罪を減らす目的で
仮に厳罰化が有効な手段だとしても、
やはり、これにもデータや事例がありません。
 
4)犯罪を減らすための方法は
他にどんなものがあるのか
まったく検討されていません。
 
5)つまり「最良」とは比較対象があって
初めて訴求できる概念です。
何と比較対象するのか?
対象物が示されていません。
 
6)もっと突っ込むと「厳罰化」とは
どのような基準のものを「厳罰化」と
言いうるのか、示されていません。
 
・・などなど。
 
 

このように
「一見正しそうに見える」言明に
私たちは単純な経験則で
反応したり、判断してしまったり。
 
そして「あいまいさ」を受け流すことで
その言明に対して聞き流しや黙認という形で
承認を与えてしまったりするのです。
 
これ、けっこう、ヤバいんです。

本来の問題解決にとって
かなりの害悪があるんですよね。

なぜなら、私たちを本当の問題解決から
大きく遠ざけてしまうからです。

 

このワナにはまらないようするには・・・
 
1.目的は何か?(PURPOSE)
2.何が起こっているのか?(FACT&DATA)
3.原因は何か?(CAUSE&MECHANISM)
4.関係者は誰か?
どんな利害を持っているのか?
(STAKEHOLDER ANALYSIS)
 
上記の1~4の情報が
きちんと揃っているかを確認し、
さらにこれらのひも解きを
丁寧に行う必要があります。
 
 
中でも重要なのは「目的」です。
 
目的の再確認、さらには
ステップを進むときに
ときどき振り返り、確認することが
重要になります。
 
以上を
ぜひぜひ頭に入れておいてください。

 

 

いかがでしたか。
 
日々の習慣や環境も、思考がカチカチになる要因になります。
情報源が単一であったり、日々がマンネリ化していると、
ついついこのショートカットが起こりがちになります。

思考をショートカットするのではなく、
ストレッチできるように、
日々の習慣から意識したいものですね。

ではまた次回の更新もお楽しみに!