2021年2月25日

ユダヤ人哲学者の他者論

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こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。

今日のコラムでは、
ブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が、
「他者論」についてお伝えします。

他者を理解する。
ビジネスシーンはもちろんのこと、
家族やプライベートなつながりでも
他者理解やコミュニケーションはむずかしいですね。

それでは、早速。

 

 

きょうは短めに。

内田樹先生の「日本習合論」より
深く印象に残ったことばを紹介します。

それは、フランスの哲学者
エマニュエル・レヴィナスの
テーゼとして引いたもの。

 

“他者との関係は
理解と共感の上に
 基礎づけるべきではない”

 

レヴィナスは、
家族や親族の多くをナチスの
ホロコーストで殺されている。

フランスに帰化した
ユダヤ人哲学者。

そして、ユダヤ教という
厳しい戒律の一神教の聖典
タルムードの研究者でもあって。

ユダヤの歴史を見ると
出エジプトから紀元73年に
マサダの要塞が陥落し、国を失い、
民族離散からナチスのホロコーストまで
なぜ、これほど過酷なのだろうと思う。

自分たちの前に現れた他者は、
安易に理解できない。
共感もできない「絶対的な他者」。

このことばは、
そんな歴史が紡いだことばなのです。

でも、誤解しないでほしいのは
だからこそ「絶対的な他者」との
コミュニケーションを諦めろ、
と言っているわけではないこと。

安易な理解も、
共感も許さない他者だからこそ
「わかりたい」という思いを持って、
関わり続けていかなければならない。

そう言っているんですね。

「わからない他者」が
つねに、そこに居ることを
わたしたちがどれだけ大切にできるか。

、、、、なのだなあ、と。

そこに基礎づけられた社会って
住みやすいだろうと思うのです。

あなたが理解できない。
でも、何とか理解しようと思っている。

そういうメッセージが飛び交う社会に
わたしは生きたいです、はい。

 

 

いかがですか。

ぜひ、貴社の、あなたの活動に
お役立て下さい。

引き続き、今週のヒマラヤFMも
メッセージに引き続きお聴きください。

 

 

先日のこちらのコラム
デザイン経営について触れました。

簡単に言うと、
デザイン経営とは
ロジックとクリエイティブ発想の素早い往復で
社会にイノベーティブなプロダクトやサービスを
提供していく経営方法です。

デザイン経営は
デザイン思考と言われる問題解決思考を
取り入れた経営手法でもあるのですが。

このデザイン思考は
問題の解決方法が
まったく分からないときに
その解決方法を
発想する手法として有名です。

そして、このデザイン思考の原点に、
たくさんのあやふやな情報から
何らかの発想や視点を生み出す方法として
「KJ法」という方法があります。

「KJ法」は
私が学生時代だったころから
有名な発想手法で、、、、

1960年代に、
文化人類学者の川喜田二郎先生が、
人類学の調査をした膨大な情報を整理し
そこから新しい発想を得る
手法として開発したものです。

川喜田二郎先生の
川喜田のkと、二郎のJで、KJ法です。

この方法をブランドづくりや
色々な物事を整理して発想するのに、
私はめちゃめちゃ愛用しています。

なぜかというと、
たくさんの情報にかくれている
物事の本質が、すごく簡単に
浮かび上がる手法だからです。

これ以上の方法って
ひょっとしたら、どこかに
あるのかもしれないけど、
私は出会ったことがありません。

今週のヒマラヤFMは、
この「KJ法」のご紹介です!

第179回ブランディングの作法-その7 じぶんの本質に出会いたいならKJ法
https://www.himalaya.com/ja/player-embed/99846/131589232

いかがでしたか。
次回の更新もお楽しみに!