2018年8月26日
ビジョン、ミッション、バリュー、コンセプト・・・。 これからのブランド理念経営 Part2. 資料篇
ビジョン、ミッション、バリュー、コンセプト・・・。
これからのブランド理念経営のために優れた事例をご紹介します。
目次
企業理念の事例
「これからの理念経営のやり方 Part1. 徹底解説篇」に参考として、資料篇を設けました。いま企業理念として良い事例となるもの4社の理念系のことばを掲載いたします。
これらの企業は、自らの事業の本質をしっかりと見据え、捉えた上で、独自性に富んだ理念つまり、自らの哲学を深くを掘りさげた理念をつくっています。それ以上に素晴らしいのは、理念を徹底する経営を行っていることです。
経営者、経営陣、リーダーから現場のスタッフに至るまでが、理念に沿った行動を日々意識し、そうして形づくられたカルチャーの中で成果を追求している。こうしてこそ理念経営を名乗ることができるし、その効果を最大限享受することができるのです。
では、海外2社、国内2社の理念の概要を紹介していきます。
Amazon(アマゾン)
Amazonはジェフ・ベゾス(Jeffrey P. Bezos)が「ジ・エブリシング・ストア」というビジョンを得て、1995年に創業した企業です。世界最大の河川アマゾンから名づけられた通り、あらゆるものが流通する場を目指しています。
当初は本を扱うことでスタートしましたが、いまでは書籍・音楽・映像・ゲーム・家電・家庭用品・アパレル・ベビー用品・食品・飲料など、圧倒的なスピードで品揃えを拡張し続け、世界最大のEコマースとなっています。
以下はAmazonの理念として掲げられていることばの数々、すべての業務はこの理念に沿って行われています。個人的には、地球上の企業の中でもっとも理念を使いこなすことで成長した企業だと考えています。また掲げられた理念以上に、その徹底ぶりがAmazonの凄さです。
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私たちのDNA(ビジョン&ミッション)
地球上で最もお客様を大切にする企業であること
“Amazon.comが1995年にビジネスを開始した際、Amazon.comは「地球上で最もお客様を大事にする企業」であることを使命とし、お客様がオンラインで求めるあらゆるものを検索、発見し、可能な限りの低価格で提供するよう努めて参りました。 この目標は今日も継続していますが、今やAmazonのお客様は世界中に広がり、また数百万ものお客様、販売業者、コンテンツクリエーター、開発者、エンタープライズを含むまでに成長しました。それぞれのグループには異なるニーズがあり、私たちは常にそのニーズを満たすために尽力し、より迅速に、またより改善されかつコスト効率の優れた新しいイノベーションを導入するよう努めています。”
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Amazonには世界で共通の「Our Leadership Principles」という14項目からなる信条があります。 それは、チームを持つマネージャーであるかどうかにかかわらず、Amazonでは、全員がリーダーであるという考え方のもとで、社員一人ひとりが、全ての日々の活動において、常にこの「Our Leadership Principles」に従って行動するよう心がけています。
Our Leadership Principles
Customer Obsession
リーダーはカスタマーを起点に考え行動します。カスタマーから信頼を獲得し、維持していくために全力を尽くします。リーダーは競合に注意を払いますが、何よりもカスタマーを中心に考えることにこだわります。
Ownership
リーダーにはオーナーシップが必要です。リーダーは長期的な視野で考え、短期的な結果のために、長期的な価値を犠牲にしません。リーダーは自分のチームだけでなく、会社全体のために行動します。リーダーは「それは私の仕事ではありません」とは決して口にしません。
Invent and Simplify
リーダーはチームにイノベーション(革新)とインベンション(創造)を求め、常にシンプルな方法を模索します。リーダーは状況の変化に注意を払い、あらゆるところから新しいアイディアを探しだします。それは、自分たちが生み出したものだけには限りません。私たちは新しいアイディアを実行する上で、長期間にわたり外部に誤解されうることも受け入れます。
Are Right, A Lot
リーダーは多くの場合正しい判断を行います。強い判断力を持ち、経験に裏打ちされた直感を備えています。リーダーは多様な考え方を追求し、自らの考えを反証することもいといません。
Learn and Be Curious
リーダーは常に学び、自分自身を向上させ続けます。新たな可能性に好奇心を持ち実際に追求します。
Hire and Develop the Best
リーダーは全ての採用や昇進において、パフォーマンスの基準を引き上げます。優れた才能を持つ人材を見極め、組織全体のために進んで人材を活用します。リーダーはリーダーを育成し、コーチングに真剣に取り組みます。私たちは全てのメンバーのために新しい成長のメカニズム(例:Career Choice*)を創り出します。
Insist on the Highest Standards
リーダーは常に高い水準を追求します。この水準は高すぎると感じられるかもしれません。リーダーは継続的に求める水準を引き上げていき、チームがより品質の高い商品やサービス、プロセスを実現できるように推進します。リーダーは不良を下流に流さず、問題を確実に解決し、再び同じ問題が起きないように改善策を講じます。
Think Big
狭い視野で考えてしまうと、大きな結果を得ることはできません。リーダーは大胆な方針と方向性をつくり、示すことによって成果を導きます。リーダーはお客様に貢献するために従来と異なる新たな視点をもち、あらゆる可能性を模索します。
Bias for Action
ビジネスではスピードが重要です。多くの意思決定や行動はやり直すこともできるため、大がかりな分析や検討を必要としません。計算されたリスクをとることも大切です。
Frugality
私たちはより少ないリソースでより多くのことを実現します。倹約の精神は創意工夫、自立心、発明を育む源になります。スタッフの人数、予算、固定費は多ければよいというものではありません。
Earn Trust
リーダーは、注意深く耳を傾け、率直に話し、人に対して敬意をもって接します。たとえ気まずい思いをする事があったとしても間違いは素直に認め、自分やチームの間違いを正しいと言ったりしません。リーダーは常に自分たちを最高水準と比較、評価します。
Dive Deep
リーダーは常に各業務に気を配り詳細も認識します。頻繁に現状を確認し、メトリクスと個別の事例が合致していない時には疑問を呈します。リーダーが関わるに値しない業務はありません。
Have Backbone; Disagree and Commit
リーダーは、賛成できない場合には、敬意をもって異議を唱えなければなりません。たとえそうすることが面倒で労力を要することであっても例外ではありません。リーダーは、信念をもち、容易にあきらめません。安易に妥協して馴れ合うことはしません。しかし、いざ決定がなされたら、全面的にコミットして取り組みます。
Deliver Results
リーダーは、ビジネス上の重要なインプットにフォーカスし、適正な品質で迅速にそれを実行します。たとえ困難なことがあっても、立ち向かい、決して妥協しません。
以上https://www.amazon.jobs/working/working-amazonより引用
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以下のことばはCEOのジェフ・ベゾスの口癖が社内で広まったもの。初心を忘れずに、まだ最初一日目だという気持ちで過ごそう!取り組もう!という意味で使われているものです。
Every day is still Day One
Amazonでは、毎日が常に「Day One」であると考えています。 最初の一歩を踏み出す日。新たな挑戦を心待ちにする日。そして今日が、皆様にとっての「Day One」です。素晴らしいビジネス拡大に向け、あなたのアイディアが形になり始める日。 毎日が常に「Day One」であることがAmazonを支える力となり、刺激となっています。
以上 https://amzn.to/2nKQMu1より引用(ビットリー使用)
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Google(グーグル)
言わずと知れたインターネット世界の巨人である。創業者はスタンフォード大学の学生であったラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンの二人の若者。彼ら二人がひらめいた検索のアルゴリズムを試すために、スタンフォード大学の寮の部屋で始めたオンライン検索がgoogleの始まりである。
下の写真は、そのときに使っていた小さなサーバー。スタンフォード大学に展示されている。ガラスケースに入ったサーバーの小ささと、クパチーノにあるGoogleアメリカ本社の巨大さ。この小さな始まり、小さな工夫、小さな利便性が世界中に普及したとき、どれだけ世界中に大きなインパクトをもたらしたかを想像すると、気が遠くなる思いだ。
彼らのミッションを聞いたときの感動はいまも忘れならない。新しい世界を垣間見せ、いまも垣間見せてくれている。その力と技術、人材が素晴らしいだけに、以前掲げていたとおり「邪悪な」企業にならないことを祈りたい。
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Google ミッション
“Organize the world’s information and make it universally accessible and useful.”
https://www.google.com/about/our-company/より
“Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすることです。”
http://www.sneed.co.jp/docs/Google09610.pdfより
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Google が掲げる 10 の事実
Google がこの「10 の事実」を策定したのは、会社設立から数年後のことでした。Google は随時このリストを見直し、事実に変わりがないかどうかを確認しています。Google は、これらが事実であることを願い、常にこのとおりであるよう努めています。
- ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
Google は、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。新しいウェブブラウザを開発するときも、トップページの外観に手を加えるときも、Google 内部の目標や収益ではなく、ユーザーを最も重視してきました。Google のトップページはインターフェースが明快で、ページは瞬時に読み込まれます。金銭と引き換えに検索結果の順位を操作することは一切ありません。広告は、広告であることを明記したうえで、関連性の高い情報を邪魔にならない形で提示します。新しいツールやアプリケーションを開発するときも、もっと違う作りならよかったのに、という思いをユーザーに抱かせない、完成度の高いデザインを目指しています。
- 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
Google は検索を行う会社です。検索問題を解決することだけに焦点を置いた世界最大級の研究グループを有する Google は、自分たちにできることが何か、それをもっとうまくやるにはどうすればいいかを知っています。複雑な問題も反復に反復を重ねて解決し、すでに膨大なユーザーが情報をすばやくシームレスに検索できているサービスに対しても、絶え間ない改善を続けています。検索分野で培った技術は、Gmail、Google マップなどの新しいサービスにも応用されています。Google では、他の分野でも検索技術を活用することで、ユーザーが生活のあらゆる面においてさまざまな情報にアクセスして利用できるよう努力を続けています。
- 遅いより速いほうがいい。
Google は、ユーザーの貴重な時間を無駄にせず、必要とする情報をウェブ検索で瞬時に提供したいと考えています。自社のウェブサイトにユーザーが留まる時間をできるだけ短くすることを目標にしている会社は、世界中でもおそらく Google だけでしょう。Google は、Google のサイトのページから余計なビットやバイトを削ぎ落とし、サーバー環境の効率を向上させることで、自己の持つスピード記録を何度も塗り替えてきました。検索結果の平均応答時間は 1 秒足らずです。Google が新しいサービスをリリースするときには、常にスピードを念頭に置いています。モバイルアプリをリリースするときも、新時代のウェブにふさわしい高速ブラウザの Google Chrome をリリースするときも同じです。今後も、さらなるスピードアップを目指して努力を続けていきます。
- ウェブ上の民主主義は機能する。
Google 検索が機能するのは、どのサイトのコンテンツが重要かを判断するうえで、膨大なユーザーがウェブサイトに張ったリンクを基準としているからです。Google では、200 以上の要素と、PageRank™ アルゴリズムをはじめとするさまざまな技術を使用して、各ウェブページの重要性を評価しています。PageRank のアルゴリズムでは、ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最高の情報源として投票されているかを分析します。この手法なら、新しいサイトが増えるたびに情報源と投票数が増えるため、ウェブが拡大するにつれて効果も高まります。また Google では、多くのプログラマーの力の結集によって技術革新が進むオープンソース ソフトウェア開発にも力を入れています。
- 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
世界はますますモバイル化し、いつどこにいても必要な情報にアクセスできることが求められています。Google は、モバイル サービスの新技術を開発し、新たなソリューションを提供しています。スマートフォンから Google 検索にさまざまな方法でアクセスできるだけでなく、メールを読んだり、カレンダーでイベントを確認したり、動画を見たりなど、世界中のあちこちからスマートフォンをさまざまな用途に使えるようになりました。また、無料のオープンソース モバイル プラットフォームである Android では、さらに画期的な革新をモバイル ユーザーに提供したいと考えています。Android は、インターネットの土台にあるオープン性をモバイルの世界にもたらすものです。Android によって、ユーザーの選択肢が広がり、先進のモバイル体験が可能となるだけでなく、携帯通信事業者、メーカー、デベロッパーにとっては、新たな収益機会が生まれます。
- 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
Google は営利企業です。企業に検索テクノロジーを提供することと、Google のサイトやその他のウェブサイトに有料広告を掲載することで収益を得ています。世界中の数多くの広告主が AdWords で商品を宣伝し、数多くのサイト運営者が Google の AdSense プログラムでサイトのコンテンツに関連する広告を配信しています。広告主だけでなく、すべてのユーザーの皆さんにご満足いただくため、Google では広告プログラムとその実践について次のような基本理念を掲げています。
検索結果ページには、その内容と関連性のない広告の掲載は認めません。Google は、広告というものはユーザーが必要としている情報と関連性がある場合にのみ役立つと考えています。そのため、検索結果ページに広告がまったく表示されない場合もあります。
派手な広告でなくても効果は上げられると Google は考えています。ポップアップ広告は邪魔になってユーザーが見たいコンテンツを自由に見られないので、Google では許可していません。Google は、閲覧しているユーザーに関連性のあるテキスト広告のほうが、ランダムに掲載される広告よりずっとクリック率が高いことに着目しました。企業の規模には関係なく、あらゆる広告主がこのターゲット広告を利用できます。
Google が掲載する広告には、スポンサーによる広告リンク(スポンサーリンク)であることを必ず明記しているため、検索結果の完全性が損なわれません。Google が検索結果のランクに手を加えてパートナー サイトの順位を高めるようなことは絶対にありません。PageRank は、お金で買うことはできません。Google のユーザーは Google の客観性を信頼しているのであり、その信頼を損なって短期的に収益が増加しても意味がないのです。
- 世の中にはまだまだ情報があふれている。
Google が他のどの検索サービスよりも多い HTML ページのインデックス登録に成功した後、Google のエンジニアたちは、簡単には検索できない情報に目を向けました。その一部は、電話番号や住所、事業別ディレクトリなどで、新しいデータベースを統合するだけで検索可能になりました。しかし、中にはもっと工夫が必要なものもありました。たとえば、ニュース アーカイブ、特許、学術誌、数十億枚の画像や数百万冊の書籍を検索する機能です。Google の研究者たちは、今後も世界中のあらゆる情報を検索ユーザーに提供するために開発を続けていきます。
- 情報のニーズはすべての国境を越える。
Google の創業地はカリフォルニアですが、全世界のユーザーにすべての言語で情報へのアクセスを提供することを目標としています。そのため、60 以上の国にオフィスを構え、180 を超えるインターネット ドメインを有し、検索結果の半分以上を米国外のユーザーに提供しています。Google の検索インターフェースは 130 を超える言語で利用でき、検索結果を自国語のコンテンツのみに制限できる機能もあります。さらに Google では、その他のアプリケーションやサービスについても、できるだけ多くの言語と利用しやすいフォーマットで提供することを目標としています。Google の翻訳ツールを使用すれば、自分の知らない言語で書かれた地球の反対側のコンテンツも読むことができます。こうしたツールやボランティア翻訳者の力を借りて、世界中のさまざまな国や地域に対し、サービスの多様性と品質を大幅に向上させることができました。
- スーツがなくても真剣に仕事はできる。
Google の共同創設者は、仕事は挑戦に満ちていなければいけない、挑戦は楽しくなければいけないという考えで会社を作りました。適切な企業文化があるほうが、創造性のある優秀な成果が上がりやすくなると Google は考えています。企業文化とは、ラバランプやバランスボールのことだけではありません。チームで目標を達成することや、個人の業績に対する誇りが会社全体の成功につながるということを強調しています。Google は社員を厚く信頼しています。Google の社員たちはさまざまなバックグラウンドを持ち、エネルギーと情熱をほとばしらせながら、仕事、遊び、人生に独創的にアプローチしています。打ち解けた雰囲気の中、カフェ、チーム ミーティング、ジムなどで生まれた新しいアイデアは、またたく間に意見交換が進み、試行錯誤を経て、すぐに形になります。こうしたアイデアが、世界展開を視野に入れた新しいプロジェクトの出発点になることもあるかもしれません。
- 「すばらしい」では足りない。
Google にとって一番であることはゴールではなく、出発点に過ぎません。Google では、まだ達成できないとわかっていることを目標に設定します。そうすることで、目標達成に向けて全力を尽くし、期待以上の成果を残せるからです。Google は、技術革新を繰り返し、機能性の高いサービスに対して、さらに期待を上回る改良を加えています。たとえば、正しいスペルの単語を入力したときに正常に検索されるのを見たあるエンジニアは、スペルが間違っているときの処理方法について改善の余地を見出し、直感的で役に立つスペル チェッカーを開発しました。
たとえユーザーが自分の探すものを正確に把握していなくても、ウェブで答えを探すこと自体はユーザーの問題ではなく Google の問題です。Google は、全世界のユーザーがまだ具体的にイメージしていないニーズを予測し、新たなスタンダードとなるサービスを作り出しています。たとえば、Gmail を始めたときには、当時のどのメールサービスよりも多くの保存容量を提供しました。今考えると当たり前のサービスですが、そう思えるのは、現在 Google のメール容量が新たなスタンダードになっているからです。このような変化をもたらすのが Google の望みであり、新たな一歩を踏み出す方向を Google は常に探しています。つまり、現状に満足しないことが Google のすべての原動力となっているのです。
https://www.google.com/about/philosophy.htmlより引用(2018.08.15時点)
この他にGoogleには「Google Code of Conduct」と呼ばれる行動規範がありますが、かなり膨大な量なのでここには掲載しません。興味がある方は以下のURLからアクセスしてみてください。英文になります。
https://abc.xyz/investor/other/google-code-of-conduct.html
★付記:Googleが長く行動規範として掲げてきた有名なことばに”Don’t Be Evil”(邪悪になるな)があります。2018年10月2日付けのウォールストリートジャーナル*では、Googleの親会社であるアルファベットでは、”Don’t Be Evil”(邪悪になるな)と表記されていたものを”‘Do the Right Thing”(正しいことを為せ)と変更してことを告げています。Googleあるいはアルファベットの今後を見守りたいと思います。
*https://blogs.wsj.com/digits/2015/10/02/as-google-becomes-alphabet-dont-be-evil-vanishes/
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良品計画(無印良品)
無印良品を展開する良品計画は、日本企業には珍しく、理念を大切にした経営をしている企業です。ブランド名である無印良品そのものがコンセプチュアルにつくられた名前で、誕生以来、名もなき良き品というような意味合いの製品開発を行い、生活に関わる品7000点を販売しています。
製品は一個50円の消しゴムから1千万円を超える家まで。さらに中国では無印良品の製品をつかったホテルを展開するなど、日本発の生活用品ブランドとして人気を博しています。
また、良品計画は経営陣のそばにデザイン界のトップの人材4~5名をつねに揃え、アドバイザリーボードとして製品の最終チェックを行っています。利益ではなく理念や無印良品の本質、デザインや製品の完成度からチェックするこうした外部人材を置くことで、いつも客観的に自らを振り返ることが出来るようにしているのです。
理念は大切です。それと同様に大事なのが、こうした理念を実行する仕組みです。そのふたつの車輪がきちんとまわってこそ、理念経営は成立します。良品計画は、その見事な事例ということができます。
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「良品」ビジョン
「良品」には、あらかじめ用意された正解はない。
しかし、自ら問いかければ、無現の可能性が見えてくる。
企業理念
良品価値の探求 Quest Value
「良品」の新たな価値と魅力を生活者の視点で探求し、提供していく。
成長の良循環 Positive Spiral
「良品」の公正で透明な事業活動を通じ、グローバルな成長と発展に挑戦していく。
最良のパートナーシップ Best Partnership
仲間を尊重し、取引先との信頼を深め、「良品」の豊かな世界を拡げていく。
行動基準
1.カスタマー・レスポンスの徹底
2.地球大の発想と行動
3.地域コミュニティーと共に栄える
4.誠実で、しかも正直であれ
5.全てにコミュニケーションを
無印良品の理想
私たちは何のために存在しているのか
美意識と良心感を根底に据えつつ、日常の意識や、人間本来の皮膚感覚から世界を見つめ直すという視点で、モノの本質を探究していく。そして「わけ」を持った良品によって、お客様に理性的な満足感と、簡素の中にある美意識や豊かさを感じていただく。
良品計画の目標
私たちはどこに行こうとしているのか
良品計画で働く仲間の永続的な幸せを第一の目標とする。そのために、社員、スタッフ全員が高い目標にチャレンジし、努力し、達成した時の充足感を持てる風土をつくることで、無印良品の思想を具現化し、世界レベルの高収益企業となることを目指す。
良品計画の価値観
私たちは何を大切に考えるか
誠実で正直であること、仲間を大切にし信頼を深めること、そしてひとりひとりが地球大の発想で考え、挑戦し、やり抜くことを尊重する。
それが良品計画の目標を達成するための土台となる。
画像、引用は https://ryohin-keikaku.jp/corporate/philosophy/ より
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リタリコ
リタリコは「利他利己」という意味。30代の若い経営者に率いられる福祉企業です。
まだ設立して20年もたっていない企業ですが、全国主要都市で就職困難者のための就労移行支援事業所「LITALICOワークス」を運営しているほか、発達障害のある子供に向けた療育・学習支援サービス「LITALICOジュニア」、IT×ものづくり教室「LITALICOワンダー」など複数の事業を運営しています。
リタリコが素晴らしいのは、実に見事なビジョンと理念を掲げていることです。見事というのは志高く、かつ分かりやすく、共感しやすいビジョン、理念なのです。若い企業ながら多くの応援やサポートを得て、成長する可能性を感じさせます。
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LITALICOの理念
世界を変え、社員を幸せに
世界を変える
すべての人の可能性が最大に拡がる社会の仕組みを
築くとともに世界が誇れる文化を創出する
社員を幸せにする
社員を幸せにすることが関わる人の幸せにつながる
人間性を重視し、自主性を尊重した自由闊達な風土を築く
LITALICOのビジョン
障害のない社会をつくる
障害は人ではなく、社会の側にある
社会にある障害をなくしていくことを通して
多様な人が幸せになれる「人」が中心の社会をつくる
コーポレート・アイデンティティ
関わる人と社会の幸せを実現することが、自分たちの幸せにつながる。
「LITALICO」は日本語の利他と利己を組み合わせた造語です。
これは当社の創業から変わらない価値観であり、
当社の理念「世界を変え(利他)」「社員を幸せに(利己)」の
両方を実現するという意思から生まれたものです。
仏教の利他自利、マズローの欲求6段階説の最上位「コミュニティーの発展(エシカル・利他)」にも通じ、日本らしいアイデンティティを持ち「LITALICO」ブランドで世界に誇れる文化を発信していく。
そんな想いを込めて「LITALICO」は生まれました。
楽しく軽やかに世界を変えていく。
すべての「人」の可能性が最大に拡がる 社会の仕組みを築く。
そのためには社会のための人でなく、「人」のための社会をつくること。
「人」が中心の新しい社会をデザインしていくこと。
私たち自身も「人」を大切に、お互い活かし合う仲間でありたい。
事業においても、組織においても常に中心は「人」であるという意思を込めて
「人」をシンボルにしたデザインを採用しました。
コーポレートカラーは全カラーを採用。
色を1つに決めず、中心の「人」にはすべての色が当てはまる。
多様性を表現したシンボルです。
引用はhttp://litalico.co.jp/vision/philosophy/より
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以上、この他にも素晴らしい事例があると思います。ご自分で書籍やインターネットなどで探索してみることをお薦めします。