2024年10月19日

栃木・足利のワイナリーで物凄く驚いたこと

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こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。

今回、ブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が
お送りするテーマはこちら。

「栃木・足利のワイナリーで物凄く驚いたこと」

前回記事のつづきになります。

それでは早速どうぞ!
 
 


 
 

(前号のつづき)

栃木のココ・ファーム・ワイナリーを
訪問したときにもう一つ
驚いたことがありました。
 
ちなみに前回記事はこちらから。
(ここでも驚いた体験が書かれていますのでぜひ!)

 
ココ・ファームのご紹介だけ軽くお伝えすると・・・
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ココ・ファームは「農民ロッソ」など
多くの銘醸ワインを擁する、
日本のワインづくりを代表するワイナリーです。

カリフォルニアで
ワインコンサルタントをしていた
ブルース・ガットラブさんが日本に移り住み、
ワイナリーの取締役として20年近く
ワイン造りを指導してきています。

本当に素晴らしいワインを
作っていることで有名なワイナリーです。
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 *記事内写真はすべて、ココ・ファームのfacebook、Instagramより

 
何に驚いたのか。
 
まず、ココ・ファーム・ワイナリーは
ワイナリーに自然に存在する野生酵母で
ワイン造りをしています。

私は日本酒で蔵付きの自然酵母で
醸す日本酒が大好きなのですが
ココ・ファーム・ワイナリーのワインは
そのワイン版です。
 
野生酵母での発酵は
時間と手間がかかり、生産量も少なく
かつ失敗の危険性も高い。

リスクの大きいやり方です。

でも、彼らはそれに挑戦している。

素晴らしいチャレンジです。

 
 
それで、ある時に東大大学院の微生物を
研究しているグループがワイナリーに遊びに来て、
野生酵母で醸していると言ったら
じゃあ、どんな野生酵母が働いているのか
分析してましょう!と言ってくれて。
 
それで分析したそうなのですね。

そうしたら、なんと20種類以上の酵母が
発酵に関わっていることが分かったと同時に
その主な酵母のDNAまで解析して
どの辺りから来た酵母なのかまで
出してくれたそうなんです。
 
ちなみに20種類以上と
「以上」がついているのは、実際はもっと多くの
酵母が関わっているらしいのですが、
それ以上分析できないので「以上」となっているそうです(笑)
 
 

で、その中の物凄く複雑な呪文のような名前の酵母は
なんと「ブラジルのハマダラカ由来の酵母DNA」に近く、
もう一個のやはり呪文のような名前の酵母は
「アフリカの喜望峰あたりの葡萄果汁に居る酵母」
だということが分かったそうなんです。
 
地球の裏側ですよ。
 
もちろん植樹した葡萄の樹に居た可能性もあります。
樹の輸入元はほとんどがヨーロッパですが
巡り巡って来た可能性もある。
 
でも、風で飛んできた可能性だってある。
 
4000kmほど離れても
ゴビ砂漠の砂(黄砂)はほぼ3日程度で
日本列島を覆い尽くします。
 
地球上の大気は循環しているし。

実は太古の昔に日本列島に居ついて
ということだって考えられる。
 
 

それをワイナリーTOPの池上さんにお聞きした時に、
地球のあらゆる場所に生息する酵母が
寄ってたかってワインをつくる姿が想像できて
なんか笑えるし、豊かな気持ちになれたんですね。
 
でも、本当に想像が膨らみます。
 
そして、自然が行うことは
基本的に人間の想像をはるかに超えている。
 
 
「なにもしないこと」の方が
「なにかすること」よりはるかに重要だ。

ブルース・ガットラブさんのことばが
身に沁みます。
 
自然の前に無心であり、謙虚であることは
人の姿勢のキホンですね。
 
 


 
 
いかがでしたか。

確かに、地球の裏側はとても遠い土地に思えるけれど、
地球は回り続け、大気は循環しているんですよね。

私たちは、ひとつの地球でつながっていて、
みんなでそれを共有している。
想像以上に濃密に。

グラスに入った水に
一滴の墨汁がみるみるまじっていくように。

地球はひとつですね、やっぱり。

ではまた次回のブログ更新もお楽しみに!