2023年2月4日
田中角栄名言集を読む
こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただきありがとうございます。
ブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が、
田中角栄の言葉、人柄、器…などなどについて、語ります。
それでは早速どうぞ!
★
最近、「田中角栄名言集」
という本を読みました。
https://onl.bz/45dxwKz
[田中角栄名言集 仕事と人生の極意]
仕事と人生の極意 (幻冬舎新書)
小林 吉弥 著
ロッキード事件や金脈などの問題で
毀誉褒貶の多かった元首相ですが。
素晴らしく頭が良く、
また人心の掌握にも
優れた人物だったことが
よくわかります。
この本自体は、
期待したよりは少し内容が薄く、
想像していたイメージの言葉しか
載っていないのがちょっと残念。
しかし、ロッキードで
罪を問われながらも140人を超える
一枚岩の田中派を維持した謎が
ここに詰まっているように思いました。
以下、私に響いたことばです。
『「第一級情報」こそ、権力そのものである』
『リーダーの最後の判断は、
「公六分・私四分の精神」が不可欠』
『「自分の物差し」は引っ込めたほうがいい』
『世の中は白と黒ばかりではない。
真理は常に中間にありだ』
『最大の気配りとは、
まず相手と全力で向き合うことだ』
『人間はやっぱり出来損ないだ。
その出来損ないの人間を愛せるかどうか』
以前知った田中角栄のエピソードで
忘れられないものがいくつかあって。
ひとつは元大蔵官僚で経済学者の
野口悠紀雄さんが語っていたもの。
(記憶に間違いがなければ)
野口さんが大蔵省に入省した1960年代、
大蔵省の同期の新人が集められた。
そこに当時大蔵大臣・田中角栄がやってきて
一人ひとりの手を握って「君が◎◎◎◎くんだね」と
ただ顔を見ただけで挨拶して回ったそうだ。
ただ一人も顔と名前を間違えずに全員に挨拶したのです。
そして・・・
『私は高等小学校卒。みなさんはエリート中のエリートだ。
ただ、これから一緒に国のために仕事をしなきゃならん。
だから大臣室の扉はいつでも開けておく。
上司とか先輩に、まったく遠慮はいらない。
言いたいことや提案したことがあれば
大臣室に何でも言いにきて欲しい。
上司の許可を取る必要は一切ない。』
これには超エリートたちもころりとやられたそうです。
人心を掌握することにかけては天才的なものをもっていた
田中角栄らしいエピソードです。
この本にもたぶん同じエピソードであろう
と思うものが載っています。
あるいは彼は19歳で独立、20代で建築業で
早くも大成功しています。
取引先を接待した時、
彼の本気で取り組むときの凄まじさを
感じさせるエピソードがあります。
記憶がおぼろで
どこで読んだ話かも忘れましたが
あまりに内容が強烈だったので覚えている話です。
若かりし田中角栄は
「オヤジ」と呼ぶ年配の取引先を
たぶん料亭などで接待することが多かったようで。
昭和初期ですから、その接待先で、
女性をあてがったりすることも多々あったのでしょう。
一通り呑み食べが終わったころを見計らって角栄が言います。
「用意してあるけれど・・・どうする、オヤジ」
その「オヤジ」が角栄にこういったそうです。
「イヤ、おれは、いい加減、女も飽きたな」
そのことばを聞いて、
ちょっと考えていた角栄は、
そのオヤジにこう言ったそうです。
「じゃあ、オヤジ、俺と寝るか?」
これにはオヤジも心底驚いてしまいます。
何に驚いたかというと・・・
角栄の目に冗談ではなく、そこまでしてやってもいい、
という本気の色が浮かんでいたからなのです。
その時、この接待相手だった男性は
20歳そこそこの青年に「本気」に怖気づくほどの
底知れない凄さを感じたそうです。
ちょっと現今の政治家と比べると
清濁併せのむスケールが
まったく違うレベルであることが分かります。
政治とは「妥協の芸術」であり、
理想をかかげながら、洞察力、情報力、人心力によって
未来を引きずり出す技であると思います。
興味を引かれたら、読んでみてください。
↓
https://onl.bz/45dxwKz
[田中角栄名言集 仕事と人生の極意]
仕事と人生の極意 (幻冬舎新書)
小林 吉弥 著
★
いかがでしたか。
田中角栄は、今回ご紹介した以外にも、
たくさんの名言を残していますね。
人生の節々で、後押ししてくれる言葉は違うかもしれません。
ちなみに、こんな言葉も今日の事務局の心を動かしました。
『分かったようなことを言うな。
気の利いたことを言うな。
そんなものは
聞いている者は一発で見抜く。
借り物でない自分の言葉で、
全力で話せ。』
『いやなことは、
その日のうちに忘れろ。
自分でどうにもならんのに
クヨクヨするのは阿呆だ。』
ではまた次回の更新もお楽しみに!