2021年1月25日

コンセプトってそんなに大事なんですか?

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こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。

今日のコラムでは、
ブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が、
「コンセプトの重要性」についてお伝えします。

それでは、早速。

 

 

先日も、換気に気を付けながら
大阪のとある高層ビルの一室で
クライアント・セッション。

もう半年近く続いています。

佳境です。

 

そのセッションの中で
クライアントの部長から
質問された。

「この場合の、
コンセプトって何ですか?」

「新しい事業を説明した文章があれば
コンセプトは要らないんじゃないですか?」

そうかもしれない。

コンセプトなんて
要らないのかもしれない。

そう思いつつも
経験的にはぜったいに必要だな、
と感じて、そう返答した。

 

コンセプトを
私的な定義で述べれば
「概念」ではないぜんぜんない。

それは何かを行うため、創るための、
「実行原理」だと考えている。

「原理原則」「実行原理」ですね。

英語で言えば
「Principle」である。

 

無印良品であれば
「理性的なほどよい高みを
目指した、節度ある製品群」が
彼らの武器である。

それを無印良品は
「これでいい」という
わずか5文字の
コンセプトに託している。

彼らが「理性的なほどよい高みを
目指した、節度ある製品」を
つくり、売っていくとき。

この単純な、人がボソッと
発したような「これでいい」という言葉が
世界中の無印良品の現場の、
企画・開発・製造・販売etcの
人々の判断の基準になっているはずなのだ。

それほど、この5文字のことばは
練りに練られて、削ぎ落されて、
凝縮されて、生まれてきている。

しかし、このことばが生まれるのに
30年近くかかっているのである。

3000億の売り上げの企業が。

現場の人は
「理性的なほどよい高みを
目指した、節度ある製品」と言われても
ピンと来ない。

それは感情を動かさないからだ。

そして、論理を突き詰めた先の
クリエイティブにジャンプした、
面白みがないからだ。

 

右脳と左脳。

パッションとロジック。

先鋭と親しみ。

 

優れたコンセプトを
生み出すのは大変だ。

キャリア30年でも
へこたれることがある。

 

でも、その「ひと言」が
10億、100億、1000億をつくり、
世界を動かすと思うと
コンセプトづくりは止められない。

 

抽象概念を
明確な手触りのあることばには
定着していく仕事。

ビジョン、ミッション。

あるいはアイデンティティ、ポジションニングetc。

その中でも生み出すのに、
最も難易度が高く、
そして面白いのがコンセプトだ。

間違いないと思う。

 

数秒で生まれるときもあれば、
1年かかることもあるけど(笑)

 

 

今回のヒマラヤFMのテーマは
「すべてをテーブルに上げる」

あらゆるものを集めてみるって
思考にすごく効果的です。

方法としては小学生でもできる
物凄く単純なことなのに、集めるだけで、
私たちを自然にメタ思考に導いてくれます。

近藤まりえさんの
世界的なベストセラー
「人生がときめく片付けの魔法」も、
やっていることは同じ。

たとえば洋服なら洋服、
本なら本と、そのジャンルのものを
全部残らず一か所に集める、
ということをやります。

一か所に集めると
思考の魔法、整理の魔法が、
動き出すんですよね。

クリエイティブな作業に
とても良い方法です。

でも、これを正確に行うためには
ひとつのテーブルに全部を集める
必要があるのです。

すごく簡単です。

なのに思考への効果はバツグンです!

こちらのヒマラヤFM、
ぜひ、お聞きください!

 

▼ヒマラヤFM 第174回ブランディングの作法「すべてをテーブルに上げる」
https://www.himalaya.com/ja/player-embed/99846/128307205

 

いかがでしたか。
次回の更新もお楽しみに!