ブランド戦略の必要性やメリット・立て方とは?
ブランド戦略の立案のポイントも解説
ブランド戦略の必要性を耳にしても、ブランド戦略について具体的にはよくわからないという方もいるのではないでしょうか。この記事では、ブランド戦略とはどのようなものなのか、その必要性やメリットについて解説。また、ブランド戦略を立案するときに重要な3つのポイントについても紹介いたします。
そもそもブランド戦略とはどういうものなのか?
ブランドは商品やサービスが持つ独自のイメージの集積です。「ブランドはお客様の中にある」といわれるように、お客様の「体験した記憶の集積」に他なりません。つまり、体験をマネージメントする、あるいは記憶をマネージメントすることが、ブランド戦略の基本なのです。
ブランド戦略とは「ブランド体験のマネージメント戦略」である
ブランド戦略を考えるにあたっては、見込み客も含めた「未来のお客様」に、どのように自社ブランドを体験してもらうか、というアプローチがもっとも大切です。ひと言でいってしまえば、ブランド戦略とは「自社がイメージするブランドを、お客様に体験として届けるストーリーを紡ぐ」ことに他なりません。
戦略は自社ブランドの客観把握から始まる
ブランド戦略は、自社ブランドのポテンシャルの把握、競合ブランドとの差別化につながる独自性の抽出や、今後の市場に対する洞察を前提としたものでなくてはなりません。それらをデータ、ファクトで客観的に把握することが、ブランドの意味価値を伝えるブランド戦略のベースとなります。
ゼロを1にするのではなく、1を2,3にする戦略を
もちろん、商品・サービスが自信をもって市場に出せるように磨かれた機能を持つことは前提条件となります。その上で、ブランド力が加わることによって比類ないパワーを持つに至るのです。
ブランド戦略はゼロを1に見せる戦略ではありません。しっかりとした起点の1があってこそブランド戦略は成り立ちます。戦略を立て、的確に実行していくことで、1を2にも3にもした理想的なブランドが確立できるのです。
市場で勝ち残るためのブランド戦略とは?
長年、ブランドの盛衰を見てきていると、残るブランドと残らないブランドの違いに気づきます。良い商品・サービスをつくったからといって、必ずしもブランドとして残るわけではありません。しかし、ダメな商品・サービスがブランドとして残ることは絶対にありません。お客様が当たり前に喜ぶ、良い商品・サービスであることはブランドの大前提です。では、何が残るブランドと、残らないブランドの違いをつくっているのでしょうか?
残るブランドが必ず持っているのが、そのブランド独自の「ストーリー」です。人は、ほとんどの物事を「いろいろな要素をつなぎ合わせたストーリー」として記憶しています。ただの数字の羅列を一度見て記憶する人はほとんどいません。しかし、興味深く感じるストーリーは、案外私たちは一度で記憶してしまったりします。心に響く要素で構成されたストーリーを持てるかどうか、がブランドとして残るか、残らないかの境目です。
では、ストーリーとは何かというと「ことばやイメージの入れ物」であると思ってください。そのブランドが持つ意味や価値を、お客様がポジティブに感じることばやイメージに転換して、わかりやすく伝えてくれるのがストーリーなのです。
あなたが素敵だなと思うブランドを思い浮かべてください。BtoCでも、BtoBでも、どんな業種のどんなブランドでも、それなりの意味と価値を持つストーリーを持っていることに気づくはずです。勝ち残るブランドは良いストーリーを持っているのです。
したがって市場で残っていくブランドになるためには、消費者にとって価値ある商品・サービスであることはもちろん、どうすればその価値を広く正しく伝えられるか、そのためのストーリーを生み出すことが大切です。
ブランド拡張にはメリットとデメリットがある!
ブランド戦略の1つに、ブランド拡張という方法があります。ブランド・エクステンションともいいます。すでに広く知られているブランドのパワーを、新たに展開する事業・商品・サービスに使うやり方です。
通常、企業が新規事業を始める際には、ブランドが認知されるまでに多くの費用と時間を費やすことになります。そして、その事業が成功するかどうかはわかりません。新規事業は大きなリスクを伴うのです。このときに、すでに認知され、実績を上げているブランドがあれば、そのブランドパワーを借りるという手があります。これがブランド拡張です。知名度も信頼度も高いブランドの力で事業展開できるため、費用も時間も削減し、かつ成功確率も高くなります。
例えば、知っているブランドの新規事業・新商品となれば、消費者も興味を持ちます。そうなることでトライアル率も上がります。ブランドに新たな魅力が加わることで、新規顧客層も獲得できるでしょう。
さらに流通側としても、すでに実績のあるブランドの拡張商品であれば、販売の見込みが立ち、安心して取り扱うことができます。流通面に関しても、良い影響を与える可能性が高いのです。これらがブランド拡張の主なメリットです。
しかし、当然、デメリットもあります。まず、ブランド拡張で新規事業を行ったはいいが失敗に終わることももちろんあります。失敗した場合のリスクは、もともとのメインブランドのブランド力が落ちてしまうことです。つまり、ブランドイメージに傷がつくのです。その結果、ブランド全体が低迷してしまう事態になることがあります。
もう1つ注意しなければならないのが、例えばメインブランドの下に、シリーズ商品を多数出すなど、ブランドの拡張をしすぎた場合です。商品の種類も多様になり、価格帯も少し幅が出てくる。こうなるとブランドのイメージや意味合いが拡散してしまって、お客様がそのブランドに価値を感じなくなる、ということが起きます。そして結果的にブランド全体の売上も利益も低迷するということが起こります。
ブランド拡張は上手に使うとブランドのパワーを倍加し、売上にも大いに貢献します。しかし、使い方によっては逆の結果を招くので注意が必要です。
どのようにすればいい?ブランド戦略の立案
ブランド戦略を立案するときに重要なのは、次の3つのポイントです。
ターゲット設定ではターゲットの心理を深堀りする
まず、誰が顧客なのか明確にする必要があります。そして、彼らをしっかりと把握するためにペルソナやアバターとして、顧客のプロファイリングを行います。このときに重要なのは、彼らの価値観や願望なども含めて把握することです。心理面の把握が非常に重要です。その上で、どうしたらそのターゲットから選んでもらえるか、次に商品の価値をどのように伝えるか、というステップで戦略に組み立てていきます。
絞り込んだポジショニングで顧客の心をつかむ
ブランドはポジショニングが重要といわれます。ポジショニングは物理的に存在するものではなく、定量・定性調査をして初めて実態がわかるような心因的なものです。つまり、ポジショニングとは、顧客の心象つまりイメージの中での位置取りなのです。したがって、ポジショニングで重要なのは、顧客に対して、自社ブランドの「何を」「どのような魅力」として打ち出すか、ということになります。ここでは、あれもこれもと欲張らないこと。訴求ポイントを1つか2つに絞り込むことが大切です。
永続的な価値を創り出すブランドコンセプトを
ブランドコンセプトは、さまざまなことを明確化しながら創り上げます。また、ブランド戦略の中心となるものなので以下の機能を持たなければなりません。
- ブランドの魅力を短くシンプルに表現している
- 実行することでブランドの独自性、ポジショニングを強化できる
- さまざまな施策の可否を検討・判断できる軸となっている
永続的に価値を持つ独自ブランドを創り上げるためには、自社ブランドの強みを活かし、自社の企業理念や文化に沿ったコンセプトにすることが大切です。
ブランド戦略の必要性や立て方でお悩みなら専門家へ相談を
今回は、ブランド戦略の必要性やメリット、ブランド戦略の立案、そのポイントについてご紹介しました。企業にとってブランド戦略は非常に重要です。ブランディングや戦略の立て方にお悩みでしたら、まずは専門家に相談することをおすすめします。
ブランド戦略の立案など、ブランディングに関するあらゆる相談を承ります。株式会社ディープビジョン研究所までお気軽にお問い合わせください。
ブランド戦略に関することなら株式会社ディープビジョン研究所へ
会社名 |
|
---|---|
設立 | 2017年9月20日 |
代表者 | 江上 隆夫 |
住所 | 〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜3-7-18 日総第18-6F エキスパート新横浜501 |
TEL | 045-594-7849 |
URL | https://deepvisionlab.jp/ |
事業内容 | コンサルティング、クリエイティブ開発、研修、事業開発、講演・セミナー、出版 |