2021年4月16日
母性原理社会と女性の地位の低さの話
こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
今日のコラムでは、
ブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が、
「母性原理社会と女性の地位の低さの話」についてお伝えします。
冒頭で江上が、「ちょっと、めんどくさい話」と言っていますが、
最後までお読みいただくとジェンダーを超えた日本の在り方が、
見えてきます。
それでは、早速。
★
ちょっと、めんどくさい話。
母性原理社会と
女性の地位の低さの話。
めんどうくさいと思った方は
ここで止めておいてください。
さて。
昔々、広告代理店の
クリエイティブ採用担当として2年ほど
採用の仕切りをやったことがあります。
そこで困ったことが
それも同じようなことが
2年続いて頭を抱えたことがあります。
クリエイティブの採用試験は
基本的に、書類選考、ペーパー試験、
一次面接、作品プレゼン、さらに二次面接、
最終面接ととんでもなく狭き門。
採用はデザイナーなのですが
採用担当ながら大変だなあ、と。
この6段階の試験を経ていって
何が起こったと思いますか?
2年連続それが起こって思ったのは
たぶん他の会社も一緒なんじゃないか
と思うのですが。
試験で、男性の応募者を
意識して残さないと選考の最後になると
女性ばかりになってしまう。
という現象でした。
つまり、ペーパー、面接、作品プレゼン
優秀さだけでふるい分けていくと
女性しか残らないのです。
ぶっちゃけ最終に10人中居たとしたら
ふつうに10人中8,9人は
女性になってしまうのです。
だから、その時は、無理に
男性を2~3名繰り上げて
最終面接に入れていました。
残念ながら。。。。。
それほど優秀さでは
女性デザイナーの方が
際立っていたのです。
たぶん、いまでもその傾向は
変わらないのではないかと思います。
どこかの医大入試の話を
ちょっと思い出させるかもしれません。
この優秀さを分けていたのが
「私は何をしたいのか」という意思の
鮮明さでした。
女性たちはおしなべて
それがハッキリしていました。
これをやりたい!
という意思が明確なのです。
翻って男性諸君は
そこがハッキリしない。
あなたは何をしたいのですか?
という問いを自分に向かって
発したことが無いのではないか。
この問いはファンダメンタルな、
根本的な問いです。
表現者として人生を渡っていくのに
避けられない問いです。
でも、男の子はどうも
その問いを発したことがなく、
女の子はそれを問い続けている
印象がありました。
日本は母性原理社会です。
しかし、男女格差、
日本は156カ国中120位。
先進国では最低レベル。
父性原理の国の女性の地位が高く、
母性原理の国の女性の地位が低い。
この矛盾がどうして発生するのか?
ちょっと考えてみました。
母性は、包み込み、許容します。
すべてを飲み込み、許す、
と言ってもいいでしょう。
逆に父性は、裁断し、分離し、
突き詰めます。
母性の中で、
人はくつろぎ、まどろみます。
父性の中で、
人は問われ、追立てられます。
弛緩と緊張。
包含と分離。
正反対の働きです。
本当はどちらも人間に
必要なものなのですが、
ややもすると、その社会は
どちらかに傾斜することがあります。
個人的に、日本は
いま「まどろみ」の中に居ます。
一生懸命、父たちが働いて
戦後復興し、生活が良くなった中で、
その息子たちは楽に暮らすことを
おぼえてしまった。
お乳をちゅうちゅうと
吸うことだけで事足りる人生。
息子たちは、
「停滞」を「安定」と勘違いして
少ない日差しを探し、そこに背中を丸めて
日に当たりながらうたた寝をしているのです。
つまり、怠惰で、
甘えすぎてしまう息子が誕生してしまった。
そして、なぜか、母たちは
それに付き合ってしまったのです。
ジュリアナで踊り狂いながら。
息子の尻をけ飛ばさずに。
悪い母性は「男性」性を殺します。
つまり、「男」がいなくなり
「男の子」が溢れるのです。
女性のみなさんは、
よくご存じかと思いますが、
「男の子」はだいたいバカです(笑)
バカ男の子は目指すべき場所を
理性的に考えることができません。
バカ男の子はあるべき理想を
どう実現するかを思い描くことができません。
バカ男の子は制度の欠陥を冷静に見極め
イノベイティブに改めていくことができません。
だって、それはぬくぬくとした
お母さんのおなかから出ることだから。
お母さんと分離して、
一人で歩きだすことだから。
オジサンの私も
そういうバカ男の子の
一面を持っています。
他人事ではありません。
この母性的な分離を忌避する
根性なしの社会構造が、、、
日本人の男性の
「男の子性」に目をつむり、、、
取りあえず、この子たちを
(仮の)「一人前の男」として
扱う構造をつくってしまった。
そういう無意識の取り決めのお陰で
日本の女性陣はバカの子守役として
いま過ごせざるを得ない。
つまり、120位という女性の地位の低さは
男の子のバカさ加減の
裏返しでしかないのではないか。
というのが、私の身も蓋もない
結論です。
どうすればいいのか?
女性のリーダーを
育てるしかないかな。
賢くも厳しい母を
たくさん作るのです。
誰が?
女性たち自身が、です。
そんなことできるのか?
できなかったら、
たぶん、この国は
もっと沈むのだと思います。
男は何をすればいいのか?
そんな女性たちの
サポートを行うのです。
★
いかがですか。
日本でもさまざまな分野で女性のリーダーが、
育ってほしいものですね。
貴社では女性がどのくらい、どのように活躍されていますか?
また、未来はどのように活躍してほしいですか?
ぜひ、貴社の、あなたのブランディング戦略に
お役立て下さい。
引き続き、今週のヒマラヤFMも
メッセージに引き続きお聴きください。
★
いま、ブランドづくりは
大きく変化しています。
1980年代、ブランドというと
デザイン的な話が主体でした。
ブランドというと
「どう見え方を変えるか?」
という視点で創られていたことが
多かった気がします。
実際、「馬子にも衣装」である
「人は見た目が9割」なのです。
デザインを整えると、
そのブランドを運営する当事者も
意識が変わるし。
お客様の見る目や意識も
変わっていきます。
ただ、これは短期的な成果を
上げるには良いのですが、
長期的な成果を上げるには
あまり向きません。
そういう意味では
最近のブランドづくりは、
本格的なものに変化してきた、
とも言えます。
さらに突っ込んで言えば、
本格的に取り組まない限り、
ブランドが創れない時代になった、
と言ってもいいでしょう。
小手先が通用しないのです。
テクニックやデザインだけで
やれない時代になったのです。
キーワードは
「関係論のランディング」と
「存在論のブランディング」。
ブランドづくりのベクトルが
真逆になったのが
この30年です。
そのコペルニクス的転回のことを
今週のヒマラヤFMでは話しています。
以下から、どうぞ。
第186回ブランディングの作法-その14 ブランドづくりの大きな変化
https://www.himalaya.com/ja/player-embed/99846/134689898
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次回の更新もお楽しみに!