2021年5月27日

大貫卓也さんの秘密

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こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。

今日のコラムでは、
ブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が、
「大貫卓也さんの秘密」についてお伝えします。

大貫卓也さんは、元・博報堂のアートディレクターで、
佐藤可士和さんの師匠筋の方です。

詳しくは今日のコラムへ。
それでは、早速。

 

 

佐藤可士和さんの
師匠筋の人で
大貫卓也さんという方がいます。

元・博報堂のアートディレクターです。

新潮文庫「Yonda?」の
広告キャンペーン。

パンダがトレードマークの
本屋さんのキャンペーン。

Jリーグのマーク。

ソフトバンクのロゴマーク。

とか。

資生堂のヘアケアブランド
「TSUBAKI」の立ち上げ、
製品パッケージ制作から
広告全体の統括までやっていたのが
この大貫さんです。

1980年代から2000年代までの
活躍は強烈でした。

あまり表に出る方ではないので、
佐藤可士和さんほど一般的には
知られていませんが
アートディレクターとしての力量は
ずば抜けていました。

 

当時は、ライバルの電通の社内報で
「大貫卓也特集」が組まれるほど(笑)

この大貫さんのことばで
忘れられないことばがあって。

というか、
まだ消化しきれずにいる
ことばがあります。

ちょっと記憶がおぼろなので
正確ではないと思いますが・・・

 

「シンプルとは
足して、足して、足していって
その先にあるものだ」

 

ということばです。

私のシンプルの定義は
「ムダを省いて、省いて
整理して、要らないものを
捨てた、その先にあるものだ」
というものでした。

たぶん、世界中の
多くの、それもかなり優秀な
クリエイターも、、、、

この省く方の
シンプル化を行って、
クリエイティブをつくっている。

佐藤可士和さんもそうです。
著書を読む限りは。

で、省いた末の傑作って数多い。

たとえば。

深澤直人さんがデザインした
無印良品の壁掛けCDプレイヤーとか。

https://www.muji.net/lab/mujiarchive/101111.html

 

なのに、でも、
大貫さんが言うのは
「足していった先のシンプル」。

いまだに、
これが体感的に
分からないところがある。

大貫さんの仕事
「足していった先のシンプル」で
思い出すのはソフトバンクのロゴ。

もう16年経っているけど
1mmも古びていない。

https://group.softbank/news/press/20041224_0

強烈です。

きっと徹底した思考と
感覚のすり合わせの先に
この「=」イコールは
出現したんですね。

クリエイティビティは
思考と感覚の、拡散と収束から
できています。

大貫さんは、
この拡散と収束の度合いが
ケタ違いなのではないか。

彼の仕事の仕方を聞くと、
そう思います。

思い切り、
振り切ったところから
凄いものは生まれる。

諦めないようにしよう、
と思います。

 

 

いかがですか。

ぜひ、貴社の、あなたのブランディング戦略に
お役立て下さい。

引き続き、今週のヒマラヤFMも
メッセージに引き続きお聴きください。

 

 

ブランディング、マーケティングでは
競合を見る、研究するということが
頻繁に行われます。

ライバルの動向は気になります。
隣の家は何やっているんだろう?
緑に見える芝生をうらやんだりします。

私は「ライバルは見るな」ということを
時々クライアントに言います。

時には「ライバルのことなんか
一切考えないでください!」
と強い口調でいう事もあります。

たとえば、同じような商品があって
その商品のブランディングや、
マーケティングを考えなければならない。

そういう時には、当然
ライバルの動向ややり方を研究します。

詳細に分析したりもします。

それは「たったいま」「現在」を
対象にしているからです。

でも「未来」を対象にするんだったら、
ライバルなんか一切見ない方がいい。

逆に見ることが害悪になります。

ときには「現在」を対象にしても
害悪になることがある。

ブランド、イコール
当然のように「競合のことを考える」
思考のクセが、いかにたくさんの
ブランドを蝕んでいるか。

あるいは企業を蝕んでいるか。

考えたこと、
感じたことはおありでしょうか?

今週のヒマラヤは、
そのことについて語っています。

ヒマラヤFM 第192回  ライバルを見るな!
https://www.himalaya.com/ja/player-embed/99846/138224865

 

 

次回の更新もお楽しみに!