2020年11月16日
日本が鎖国していることについて
こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
今日のコラムでは、
ブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が、
「きょうは日本の大企業さんの話をします。
厳しい話で目が覚めるかもしれません」
と前置きをしつつ、
日本の経営トップの思考や志向について
江上がお伝えします。
それでは、早速。
★
今日は、以前数年ぶりに、
コンサルタントとして
活躍する友人と会って食事をしたときの
話をしよう。
共通の知人も多い、
気のおけない楽しい友人だ。
有名どころの●●●ンゼーなども通過してきていて
筋金入りの外資系コンサルタントとして
組織の中に入り込み、組織改革を行っている。
組織の中に入り込んで、
経営陣としての立て直しを何度も経験している
腕っこきの人間だ。
いま彼が組織改革に取り組んでいるのが
誰でも知る某●●グループ系の某子会社。
伏字と某が多いですね(笑)
まあ、この某の内情がほとんどギャグのよう。
大企業のすべてとは言わないし、
すごい危機感をもったTOYOTAのような会社もあるし
ぜんぶがぜんぶそうではないと思いますが・・・
本当にダメなところは
とことんダメになってきているんだなと。
たとえば、社員さん(たぶん40代以上と思われる)
こんな言行録、行動録があったそうです。
(他国や他社のことはあまり調べもせずに)
「最高のテクノロジーは自社にある。」
「良いものをつくればお客様は買ってくれる。」(と断言)
(なぜそう分かるのかと問われたら)
「お客様のことは聞かなくても分かる。」
(若いスタートアップがどんな意識でいるか調べてと言ったら)
自社の技術部門にアポを取って話を聞こうとする
(改革について話したら)
「自社の人間じゃないんだから余計なことはしないでほしい。」
(経営トップからして)
サラリーマン社長で何事もなく大過なく任期を終えたい。
とりあえずコンサルさんの言うことは聞いとくか。
でもやっても大して効果あがらないんじゃないの~。
固着した組織がどれだけダメになっていくかの
本当に典型的な例というか、もうギャグとしか思えない光景が
展開されているんだな、と。
これは、一種の「鎖国現象」だろう。
精神的にも、ビジネス的にも、鎖国して
親会社を含むグループ内で仕事を融通し合う中で、
市場というものが彼らから遊離して
市場や当たり前のビジネス感覚を喪失していく。
そういう精神的な堕落であり、退縮。
徳川の鎖国は、文化も育んだが、この「鎖国」にはそれもない。
特に×印なのが年齢が上の社員の方だそうだ。
日本のように労働市場の流動性の低いところでは
その会社しか知らないという人間が多い。
それでも、顧客と頻繁に接して
市場の厳しさを知っているなら外部環境の変化には敏感になる。
それがない場合の、
つまり鎖国状態の企業に勤めている社員の場合は
ほぼ30年前から時間が止まっているらしい。
この対策は、と彼に聞くと「CAVE」とひと言。
「CAVE 洞窟???」
「そう、CAVE洞窟に入れる!
以前、タイの少年たちが閉じ込められたようにではなく、
逆の意味でやる気のある若者に彼らに悪影響を与えないように
おじさんたちを隔離する。
つまり、鎖国おじさんたちはCAVEに閉じ込る」
・・・という結論に
他のアメリカ人コンサルタントと達したそうだ。
思考停止
危機感なし
変革嫌い
十年一日
市場関係なし
顧客見ない
社内だけは見てる
無事に定年まで
そういう方たち。
いろんなアプローチをして動かそうとしたが
もう、どうにもこうにも打つ手がないという。
経営トップの責任もかなり大きいと思う。
経営トップの思考や志向は
自然に組織全体に伝播するからだ。
任期を無事にまっとうする。
何事も起こらぬように。
こういう経営者では100%ムリだろう。
とある日本でも有数の実力派コンサルの方は
「2035年に大企業1000社のうち少ない場合は8社しか生き残らない」
と断言されているそうです。
当たりますね。これは。
さて。といっても彼は返す刀でアメリカもダメ、と断言した。
なぜなら「四半期決算」を行っているかぎり
アメリカ企業は株主を見た短期的な利益獲得の戦略しか
(こんなに短期だと戦略と言えないか)
採用しないからだ。
少し前だが、2018年6月の
ウォーレン・バフェット氏と
JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOが
「四半期ごとに業績見通しを出すのはやめよう」
とウォールストリート・ジャーナルに寄稿している
https://www.wsj.com/articles/short-termism-is-harming-the-economy-1528336801
さあ、徹底的にスキルを身につけて、
価値を高めて、生き抜こう!
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いかがでしたか。
次回の更新もお楽しみに!