2021年6月10日

自分が本当に欲しいものは分からない

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こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。

今日のコラムでは、
ブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が、
「自分が本当に欲しいものは分からない」についてお伝えします。

それでは、早速。

 

 

人間は、
自分が何をしたいか
分かっていると思いがちです。

少なくとも表面上は、
そうです。

生理的な欲求に対しては
いま、どうしたいのか、
私たちは明確です。

水が飲みたい。

おなかが空いた。

疲れた、眠い。

何をしたいか、
ほぼ9割方は分かっていると
言っても過言ではないでしょう。

でも、例えば、
ここに人間関係という
変数を代入すると、何をしたいかは
少し分からなくなってきます。

好きだと思っていたのに、
実はそうでもなかったとか。

ケンカばかりしているのに、
実は最も大切な相手だった、ということは
しょっちゅう見聞きすることです。

さらに、欲しい商品、サービス
という変数を代入すると
もっと自分が何をしたいのか
何が欲しいのか、分からなくなります。

生理的なものに関係するなら
わりに簡単です。

飲みたいものとか
食べたいものとか。

寒いから暖かい服が欲しいとか。
暑いからクーラーが欲しいとか。

あとはブランド物とか。

ここまでは簡単です。

その先。

生理を離れた、まだ形も見えない。
どういう存在かも分からない。

そういう商品やサービスは
欲しがることもできません。

当たり前ですよね。

まったく知らない、
まったくイメージできないものを
私たちは欲しがることはできません。

しかし。

その欲しがることが出来ないものこそが、
もっともイノベーティブな商品であり、
サービスなのです。

大ヒットであり、
世の中を変えて行く原動力なんです。

まったく知らない、
まったくイメージできないものを
どうやって生み出すのか?

それは誰も気づかない
非常識な場所を探索することでしか、
生み出すことはできません。

やり方は?

バイアスを壊す、です。

壊したあとに何が現れるのか?

それは壊した者にしか分かりません。(笑)

発明と大ヒットはそうやって生まれます。

 

 

いかがですか。

ぜひ、貴社の、あなたのブランディング戦略に
お役立て下さい。

引き続き、今週のヒマラヤFMも
メッセージに引き続きお聴きください。

 

 

バイアス、英語だと「bias」。

傾向、偏向、先入観、データ等の偏り、
思考や判断に特定の偏りをもたらす思い込み要因、
得られる情報が偏っていることによる認識の歪み、
といった意味で用いられる語。
※weblio辞書より

まったくバイアスを持たずに
物事を見ることは可能かと問われれば、
それは不可能、、、
と言わざるを得ません。

人間がある文化の中で育つ、
母語を身につけること自体が
必ず偏りを生んでしまうからです。

偏らない人間は
人間として存在できない。

だから人間は偏らない存在としての
「神様」を設定したのでしょう。

考えると、バイアスつまり偏りは、
あなたの個性やキャラクターを決めている
ひとつの側面でもあるのです。

しかし、このバイアスを
放っておくと、私たちは進歩したり、
何かを創造したりすることが
上手にできなくなってしまいます。

バイアスとは
文化的な檻、思考の檻、
のようなものだからです。

檻の中に入っていて、
でも、そこが檻だとも思わずに
一生をその狭い檻の中で
暮らしている。

檻を出る、檻の外がある
という選択肢は彼にはありません。

檻の中でできることを
行うしかない。

ただ、残念なことに
「檻の中で出来ること」を
やっている意識は
彼にはありません。

広々とした世界で
行っていると思っています。

しかし、残念ながら、
広々とした世界から見た
驚くようなアイデアは
彼のもとには
なかなかやってきません。

そこはバイアスが効いた
世界だからです。

私たちはバイアスから
逃れることはできません。

しかし、バイアスを意識し、
そのバイアスを壊そうと
試みることはできます。

今週のヒマラヤFMは
アイデアを生み出し、現実化する際に
必要になってくる「バイアス壊し」
のことを話しています。

こちらから、どうぞ。

ヒマラヤFM 第194回 バイアスを壊すと本物のアイデアが現れる
https://www.himalaya.com/ja/player-embed/99846/139092385

 

次回の更新もお楽しみに!