2020年11月6日

シリコンバレーの光と影。スタンフォードで驚く〜シリコンバレーの旅より

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こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。

今回のコラムは、
こちらの面接15回のGoogle〜シリコンバレーの旅よりの続きです。

ブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が、
以前、念願のシリコンバレーへ旅をしたときの
エピソードのご紹介です。

新型コロナウィルス/covid-19の影響で、
今は、海外旅行にいけませんが、
江上のエピソードとともに旅の気分を味わってください。
(ビジネスツアーでしたが・・・笑)

それでは、早速。

 

 

シリコンバレーの旅でかなり行きたかったのが
スタンフォード大学だ。

十数年ほど前に
ハーバード大学には行ったことがあるので
世界的なアメリカの大学の
東西の両雄を訪問したことになる。(笑)

もっとも見たかったのは
スタンフォード大学にあるデザイン思考の総本山
Dスクールだったが、
意外な収穫は別なところにあった。

それは・・・

マインドフルネスの授業だ。

 

まあ、授業といっても小一時間程度のレクチャーと
5分ほどのマインドフルネスの瞑想を
行っただけなので、正直「味見」だ。

 

この授業を行ってくださったのは
元東大の助教授で、
現在はスタンフォードでマインドフルネスを教える
スティーブン・マーフィー・重松先生と
その奥様のちなさん。

スタンフォードの敷地の静かな場所にある
小さな一軒家が、その授業を行う場所。

実際の授業も一回につき15名、3時間で
この一軒家の一階の広間で行われる。

私たちは数名の少人数だったので
二階のプライベートな小部屋で
先生の講義と、瞑想を行った。

 

「ダックシンドローム」ということばを
ご存じでしょうか。

 

これは重松先生に教えていただいたのだが、
スタンフォードには全米から各学校の
トップの生徒がやってくる。

そこに世界中からも
超優秀な学生がどんどんやってくる。

そんな人間が1万3千人いるのだが、
どんなに優秀でも、それを上回るようなすごいのが
居るのがこの学校だ。

そうすると表面はゆったり優雅に見えても
人のいないところでは必死に足掻いて
猛烈に勉強しないとついていけない。

すると疲れ切って不安症状を呈したり、
精神的に切れやすくなったり、
実際に鬱になったりする学生が発生するのだ。

これが「ダックシンドローム」。

 

実際に、こういう学生が
このスタンフォード大学に
どのくらいの比率で居ると思いますか?

なんと40%から下手をすると50%
半分ほどの学生がなんらかの不安を
抱えているというのだ。

 

これには驚いた。
どんな学校でも自己確立期の年齢では
こうしたことは当たり前にあるが
それにしても高率だ。

激烈な競争社会という
アメリカの社会的な性質もあるだろう。

中でも競争し烈な
シリコンバレーの超有名大学ということもあるだろう。

どういう風に数年間を過ごすのか。

スティーブ・ジョブズの
卒業生への祝辞のときの映像では
うかがい知れないことだ。

ちょっと驚いたとともに
少し考えさせられる出来事だった。

 

シリコンバレーの光と影。

 

進化のスピードに振り落とされる人々を
どうするのか。

たぶん私たちは制度的、仕組的に
考えることが今後圧倒的に増えてくるな、
という予感を抱いた出来事だった。

 

たぶん、
これからの企業経営や
技術開発や、
アイデアづくりにも
そしてもちろんブランドづくりにも
遠からず影響を及ぼすことが
多くなるに違いない。

どれだけ人にやさしくなれるか。

速さが限界に近付いているではないか。

幸せを追い求めて疲れ切ってしまっては
元も子もない。

 

マインドフルネスがはやるはずだ。
効率化のためのマインドフルネスではなく
幸せな状態に気付くための
マインドフルネス。

重松先生のおだやかなお人柄は
それを教えてくれていた気がした。

 

いかがでしたか。
次回の更新もお楽しみに!