2020年8月9日

「中国」というブランドの研究

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こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。

毎日のように日本のニュースでは、米中間の諸問題が
報道されていますね。

両国の間に挟まれている日本。
日本はどのような選択をし、進んでいくのでしょうか。

今日のコラムでは、
ブランド戦略コンサルタントの江上が、中国を
ブランディングの視点から語ります。

それでは、早速。

 

 

国にも
ブランド的な側面があります。

たとえばコロナウィルスの肺炎が
世界中のニュースになった中国。

AI、遺伝子工学、
スーパーコンピュータ、宇宙工学などでは
世界トップを走るようになりました。

 

80年代から営々と戦略的に
積み上げてきた蓄積が一気に
花開いています。

あらためて言うまでもなく、
テクノロジーで覇権を握ろうとする
意思を強く感じます。

 

では、そういう中国の発展を
世界がもろ手をあげて歓迎しているかと
言えば、残念ながらそうでもありません。

 

これは現在の中国が持つ
国としてのイメージが
大きく作用しています。

一党独裁、
共産党政権、
監視社会化。

 

事実はどうか分かりませんが
あったことを恣意的に
なかったことにするような
政治体制への不信。

もちろん、どの国の政権にも
そのように操作しようとする
性癖はありはします。

それでも中国の政治体制への
不安や不信は根強いものがあります。

あるいはテクノロジーの
発達に対する倫理観。

 

2018年に、遺伝子を操作して
赤ちゃんを誕生させた
中国の医師に世界の非難が集まりました。

技術発展の、
手法を問わないやり方に
世界中の目が厳しくなっています。

 

つまり、成果至上主義、
利益追求の姿勢です。

 

機能では世界トップクラスにある
中国製品のブランド力は、少しずつ
上がってはきています。

けれど、どこかで「圧倒的な信」を
置かれていないのです。

 

これは国そのものの在り方への
世界中の違和感が、そのまま中国製品まで
イメージとして転嫁されているせいです。

 

今回の新型コロナウイルスの件でも、
中国政府の対応が後手に
回ったこともあるでしょうが
厳しい目線が中国に注がれています。

たぶん、この違和感を払拭しないかぎり、
中国製品が機能では世界最高でも、
世界トップのブランド感を持つには
至らない気がします。

 

高機能、
低価格、
ユーザビリティ、、、、

こうしたポイントは
高いと思いますが・・・

平和、
愛、
平等、
心遣い、
親しみ、
精神性、、、、、

こうしたものを
製品から感じたり、
想起したりすることは
少ないはずです。

 

つまり、国そのものの
ブランド要素にネガティブなものが
からみすぎているのです。

本来、中国は歴史的には
孔子、老子、孟子、荘子などの
思想を生み出した国です。

 

高度な精神的な価値を
十分に持ち合わせえているにも
関わらず、現在は、
それを活用するに至っていません。

つまり、いまの中国製品は
思想をべ―スにした製品づくりを
していないとも言えます。

モノづくりの思想が
フォローアップだけになっている。

逆にそこに日本のモノづくりが
復活するチャンスがあるとも言えます。

ただし、最高度の
ユーザビリティを実現した上で、
という条件は付きますが。

テクノロジーの高度化は
それを使いこなす側の、
フィロソフィー、思想、考え方が
大事な時代になることを意味します。

日本の復活のヒントの
ひとつは「技術の哲学思想」です。

テクノロジーと思想。

ここが日本反転を考えたときに見える、
ひとつの道筋です。

 

 

いかがでしたか。
次回の更新もお楽しみに!