
2025.07.20
国家ブランドとしての日本のポジション
こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
今回はブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が
「国家ブランドとしての日本のポジション」
というテーマでお話しします。
それでは早速どうぞ!
★
「国のブランドイメージ調査」
というのがあります。
フランスのイプソス社がやっているもので
国家ブランド指数(NBI)というのを計測しています。
約60か国が調査対象となっています。
各国18歳以上の人に質問とインタビューを
行って結果をまとめています。
大きく以下の6つの分野で評価されます。
輸出、政治(ガバナンス)、文化、
国民、観光、移民と投資です。
この最新版の2025年版がないかな~
と思って探しましたが、どうも無いようです。
そこで現時点での最新版である
2023年版を見てみました。
↓
https://www.ipsos.com/en-us/nation-brands-index-2023
ぶっちゃけ日本が何位かというと
この2023年版から「1位」なのです。
世界1位です。
2008年の調査開始以来、基本的にいつも日本は
7位以内にいたのですが、2019年5位、2020年4位、
2021年3位、2022年2位と着実に順位を上げて
そしてとうとう2023年に1位になったのですね。
これだけ国内的には問題を抱えているのに
物価高や経済、財政、医療ひっ迫、人口減少など
問題山積みなのに、です。
これ凄いことですよね、ほんとに。
2位以下は欧米先進国ばかり・・・
2)ドイツ
3)カナダ
4)イギリス
5)イタリア
6)アメリカ
7)スイス
8)フランス
9)オーストラリア
10)スウェーデン
で、世界が日本の何を評価しているのだろうか
と思ってみてみるとハイスコアのものに
こういうものが並んでいました・・・
創造性:1位(2位韓国、3位台湾)
有能さ:2位(1位ドイツ、3位韓国)
この国で作られた製品を信頼:1位(2位ドイツ、3位アメリカ)
世界経済のリーダーだと思う:2位(1位アメリカ、3位ドイツ)
他のどこにもない国である:1位(2位エジプト、3位イタリア)
なるほど、創造性があって有能で、
信頼できてオリジナリティのあるリーダー!
おいおいちょっと褒めすぎだろう、
とも思うのですが、どうも世界の人々には
そう映っている。
通常、ブランドはこうしたイメージが持つパワーを
ブランドエクイティとして資産に計上します。
ま、国は売り買いできないので
基本的にエクイティにはならないのですが
それでも「日本」であることの「恩恵」は
私たちが想像する以上にあるのかもしれません。
このイメージの資産を考えずに
実利ばかりと自分たちの固有の論理だけで
世界とやり合っているとネガティブな資産が積みあがります。
権威主義的な国がいくらイメージを
戦略的につくろうとしても、それにまんまと
乗せられるほど人はバカではないのです。
この報告書の17pには
Greedy(貪欲)、Arrogant(傲慢)、
Deceitful(ペテン)、Dangerous(危険)などの
ネガティブイメージ・ランクが載っています。
ここに複数登場する国はロシアがぶっちぎりの1位で
貪欲2位、傲慢1位、ペテン1位、危険1位です。
総合ランキングは60か国中59位。
中国が2位(貪欲1位、ペテン2位)
総合ランキングは31位。
アメリカが3位(貪欲3位、傲慢2位)。
サウジアラビアが4位(傲慢3位、ペテン3位)で
総合ランキングは54位です。
アメリカが、この頃はバイデン政権ですが
トランプさんの印象が強いのでしょうね、
資産をぐんと減らしているようです(笑)
世界は案外、正確にその国のことを
見ているのです。
★
いかがでしたか。
創造性があって有能で、
信頼できてオリジナリティのある経済リーダー!
世界のどこにもない国。
きょとんとしてしまいそうですが、
我が国・日本のイメージだったとは。
2023年が最新情報とはいえ、凄すぎませんか。
他の国のことを言われているようです。
一方で、日本の世界幸福度ランキングは55位(2025年)で、
そこに住む私たち自身の幸福度は低いという…。
私たちが代々受け継いできている資源や能力を棚卸ししてみたら、
私たちはもっと恵まれていることに気づき、
生き方も変わってくるのかも。
いずれにしても、この閉塞感あふれる現代の日本で、
マインドセットをし直すことが必要そうです。
それでは、次回のブログ更新もお楽しみに!