
2025.11.22
マーケティングの「PoP」と「PoD」
こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
今回、ブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が
お届けするテーマはこちら。
『マーケティングの「PoP」と「PoD」』
その前にお知らせです↓
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それでは、本題へどうぞ!
★
自分のことを
不勉強者だと思うことが
多々あるのですが。
今週、マーケティングで
初めて知ったことば、概念があります。
P&Gの出身者がよく使うらしいのですが
それが「PoP」と「PoD」です。
「PoP」は「Point of Parity」
「Parity(パリティ)」は
「同等であること,等価,同格」という意味。
「parity of treatment: 均等待遇」のように使う。
直訳すれば「同等となるポイント」。
検索で意味を探ると・・・
ある製品カテゴリーにおいて、
競合製品と同等であることが求められる、
最低限備わっているべき基本的な要素。
・・・と出てくる。
つまり、マーケティング的な意味合いでは
「競合と並べて比べてもらうための条件」です。
もう一つは「PoD」は
「Point of Difference」のこと。
直訳すれば「違いのポイント」
つまり、マーケティングでは
自社製品・サービスが競合他社と
差別化されるための「独自の強みや価値」
のことになります。
つまり、「PoP」(必要要件)が
ひと通り欠けずに揃っていて
「PoD」(独自価値)がその上に乗るときに
そこがポジショニングの肝になる。
そういうことなんですね。
確かに、製品やサービスを選択するときに
私たちは頭の中で、そんな無意識の計算を
しています。
拙著『スロウ・ブランディング』では
そうしたマーケティングや
ブランディングの実際的な方法は
取り上げていません。
本質論に終始しているからです。
それは本質論から具体的な手法までを
1冊の本に盛り込むには莫大なページ数が必要なのと
執筆する時間も膨大なものになる、という
物理的な理由もあったのですが。
実際、精査すればマーケティングや
ブランディングの手法を著した書籍には
良書も多く、私が書かなくても
それらで十分だという認識があったからです。
でも、知り合った人から著書を贈っていただき、
読んでみると実体験に基づいた素晴らしい本でした。
マーケティングのコアが
分かりやすく見事に言語化されています。
タイトル通り!(笑)
「人がモノを買うしくみを言語化する」
富永朋信 著(日経BP社)
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★
いかがでしたか。
POD(Point of Difference)と似た言葉に、
「USP」という言葉もあります。
Unique Selling Proposition、
つまり独自の売り。
アメリカのコピーライター、
ロッサー・リーブス氏が提唱したもの。
1960年代ともいわれています。
一方で、「POD」は
ダートマス大学のケビン・ケラー教授より
1997年に出版された
『戦略的ブランド・マネジメント』で
紹介された理論「Points of X」に基づいたもの。
PODとUSPはほぼ同じように使われますが、
厳密には少し異なるようです。
ベースの位置付けとしては同じようなものの、
USPは「顧客に対する約束」としての役割を果たし、
PODは「製品の特性」としての役割を果たす。
視点や目的が違いますね。
理論も次々に出てくるし、
似ているもの多いから、なかなか難しい。
それでは、またの投稿をお楽しみに!
