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ネット社会の宿題にどう立ち向かうか

2025.09.27

ネット社会の宿題にどう立ち向かうか

こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。

今回、ブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が
「ネット社会の宿題にどう立ち向かうか」
というテーマでお送りします。

 
それでは早速どうぞ!
 
 

 
 
若手の気鋭の評論家で宇野常寛さん
という方がいらっしゃいます。
    ↓
https://x.gd/mgdIK
 
 
来月あるイベントで
ご一緒することになったので、
宇野常寛さんの話題作
「庭の話」を読みました。
    ↓
https://x.gd/c8FBI

私が買った今年の7月時点で
8刷まで行っているので
この種の評論家系の本としては
かなり売れているのではないでしょうか。
 
 
雑誌「群像」に
2022年7月号~2024年1月号に
連載されたものをまとめた本で
昨年の12月に出版されています。

園芸の本と間違われそうな
タイトルですが。

内容は簡単に言うと
SNSなどの「評価と承認」に
侵された息苦しい私たちの社会に、
そうではない場所を
どこに、どうつくるのかという論考。

この「そうではない場所」が
「庭」というメタファーで
あらわされる場所なのですね。
 
 
最近、斎藤公平さんなどが
「コモンズ」つまり共同体の復権
を唱えています。

宇野さんはこの共同体回帰とでも
呼べそうな動きを批判していて
そこからこぼれ落ちる人も
ちゃんと存在できる場所として
「庭」を構想しています。

なかなか面白い本で
「思考の推理小説」とでも
呼べそうなくらい
宇野さんの思考の組み立てを
スリリングに追うことができます。

内容はダイジェストが面倒なので
読んでください(笑)
 
 
今日のメルマガは
宇野さんの「庭の話」を紹介しつつ
もうひとつテーマがあって。
 
それはアマゾンのレビューについて、です。

アマゾンレビューは
私も著者のはしくれなので
読むことも多いのです。

自著のもの、ボロクソに
けなされたもの傷つきながら読みます(笑)

全体に、つまり★5つから★1つまで
ざっと読むと見当違いやあてこすりなど
いろいろなものが混じって読めないものも多い。
 
 
この「庭の話」の
アマゾンレビューで感心したのが
★5つから★1つまで、それぞれ
かなりまともなものが揃っていることでした。

これはちょっと驚きでした。
 
すべてのレビューを読んだわけではないので
断言はできませんが、
★1つとしているものの中にも
有用で的を射ている意見がありました。

これはなかなか稀有なことです。

宇野さんが良い読者層を
得ているからかもしれません。

このことは「庭の話」で
批判された「評価と承認の現代社会」の
それでもちょっとある有用な側面なのだな
と個人的には感じました。
 
 
ある種の「集合知」、
つまり「みんなの意見は案外正しい」を
垣間見ることができる。

これが反転すると何かを一方的攻撃する
ポピュリズム的な動きになるのですが。

こうしたネット社会のネガティブな側面。

「庭の話」もそうですが
どうその側面を弱め、
ポジティブを大きくしていくというのは・・・

これから数十年単位で私たちが
向き合わなければならない大きな宿題ですね。
 
 

 
 
いかがでしたか。

現実世界のコミュニティで生きづらい人が
生きられる場所としての側面があったネットの世界。

でも、このネットの世界の方で
息苦しいほどの幾多のコミュニティが
絡み合うように生まれている。
このネットの世界もまた息苦しくなっている。

宇野さんのいう「庭」には、
私たち1人ひとりがその人らしく
生きられるあらたな世界があるのかも。

江上の話含め、レビューを読んだら
『庭の話』読みたくなりました。
 
それでは、次回のブログ更新もお楽しみに!