
2025.09.13
ぴあ復活について思うこと
こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
今回、ブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が
「ぴあ復活について思うこと」
というテーマでお送りします。
それでは早速どうぞ!
★
ぴあ復活という記事が
NewsPicksに載っていた。
↓
https://newspicks.com/news/15048218/body/?ref=index
え、5年前は大赤字だったんだ!
と逆に驚いてしまった。
なぜなら、ぴあの執行役員に
知り合いがいて、そんなこと、
聞いたこともなかったからだ。
ぴあが苦境に陥ったのは
「コロナ禍」の2020年、2021年。
あらゆる公演が中止に追い込まれ
チケットの販売手数料が激減。
さらにタイミングの悪いことに
2020年に横浜に100億円を投じて
「ぴあアリーナMM」という自前の
公演会場を持つ。
たしか私の知人は、この会場開設の
責任者ではなかったかと思います。
で、66.6億円の赤字。
学生ビジネスだったぴあが
トップクラスの雑誌に成長するのを
横目で見ながら青春を過ごした
昭和オジサン世代としては
このまま潰れたんではショックだったはず。
復活と記事では言っているが
実際は大胆なビジネス転換の途中に
アクシデント的にコロナ禍に遭遇して
そこを抜けたら、転換の施策が
効き始めた、当たり始めたと私自身は感じます。
ぴあ株式会社は基本的に
エンタメのあらゆる情報提供をする雑誌を起点に
チケットの取り扱い、イベントの企画という風に
発展してきた企業であり、インターネット時代にも
柔軟に適応して業績を保ってきています。
さらに、いま目立つのは「公演会場」を
自分たちで持ち始めた、ということ。
ぴあのビジネス拡大の流れは以下のようになっています。
========================================
1972~ 1984~ 2007~ 2020~
情報提供 → 販売手数料 → イベント運営 → 会場提供
========================================
つまり、あくまで自分たちの領域で
少しずつビジネスを拡大してきている。
そして、トータルで
エンターテインメントを扱える事業へと
進化していることが分かります。
この前、惜しくも亡くなってしまったが
雑誌ロッキングオンを創刊した渋谷陽一さんが
ロッキングオン社を成長させてきた軌跡と
少し似通っています。
ロッキングオンも創刊は1972年。
(ぴあも1972年創刊。このころは雑誌が、
若者が自分で持てるメディアだったのですね)
投稿型の音楽評論誌から数々の雑誌を立ち上げ、
最近は大型フェスの企画運営会社として成功しています。
両方とも、いまであれば
カルチャー系ベンチャー企業と言えます。
そして、立派に生き残っている。
この昭和世代のタフさとたくましさ、
さらに時代の先を読んで動く機敏さに
敬意を表したいと思います。
いま、こうしたスタートアップには
どんな企業があるんだろう?
チームラボ?ちょっと違うか・・・。
NewsPicks、Pivotは
それに当たるのでしょうか?
何かユニークかつ元気な
カルチャースタートアップがあったら
教えてください。
★
いかがでしたか。
『ぴあ』といえば、
及川正道氏による著名人のイラストが描かれたあの雑紙。
2011年に休刊し、カルチャーがまたひとつ
終わったような気がして寂しい気持ちもあったものの、
事業として復活の兆しがあるのはうれしいですね。
それでは、次回のブログ更新もお楽しみに!