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福沢諭吉の衝撃

2024.03.30

福沢諭吉の衝撃

こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。

今回はブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が
「福沢諭吉の衝撃」
というテーマでお話しします。

 
それでは早速どうぞ!
 
 


 
 

福澤諭吉の「学問のすすめ」を
知らない人はいないと思います。

しかし、この本がどれほどのベストセラーか
知っている人は少ないかもしれません。
 

1872年、明治5年に17篇が
分冊として出版されて
1876年、明治9年までの約5年間に
累計340万部も売れたのです。

そして、これらを合わせた合本が
1880年に出版されて、これも70万部の
ベストセラーになっています。

 
 
注意しなければならないのは
この当時の日本の人口です。

1872年、明治5年は廃藩置県後に
初めて本格的な人口統計が開始された年。

それによると当時の日本の人口は
3,480万人なのです。

つまり、「学問のすすめ」は
ほぼ国民の相当数が読んだ本なのです。
 
 

3,480万人には子どもも含まれるし、
さらには識字率もあります。

明治5年の14歳以下の人口比率は約30%、
3,480万人のうち15歳以上の人口は2,436万人。
https://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/data/pdf/J08317.pdf

当時の識字率はこの文献によると
男子で50~60%、女子で30%前後。
https://cice.hiroshima-u.ac.jp/wp-content/uploads/publications/15-1/15-1-04.pdf

とすると男子識字率による読書人口は
単純計算で1,218万人×0.55=669.9万人
(男子で50~60%の間を取りますね)

女子識字率による読書人口は
1,218万人×0.3=365.4万人

読書人口は
合計で1,035.3万人です。

 
 

この読書人口のうち、
いったい何人に1人が読んだのか。

17編が340万部だとすると
これを連続購入した人ばかりだと単純化すると
20万人が読んだ計算になります。

さらに合本が70万部。

すべて合本の部数だとすると90万部。

たぶん本の貸し借りも行われたでしょう。

それを1冊につき1.5人と仮定すると
90×1.5=135万部相当になります。

 
つまり「学問のすすめ」は
1,035÷135=7.67

字を読める人のおよそ7.7人に1人が
読んでいる計算になります。

「学問のすすめ」が、
どれほどの衝撃だったのか分かります。
 
 
江戸期の思考法でいた人々に
この本が初めて近代的な人間の在り方と、
日本を近代化するにはどうすべきなのかを
具体的に、わかりやすく伝えたのです。

「え~、そういうことか!!」

と蒙を開かされた衝撃が
この7.7人に1人が読むことに
繋がったのでしょう。
 
 

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あらぬ方向に筆が
すべってしまいました(笑)

福澤の言葉はまたの機会に。
 
 


 
 

いかがでしたか。

7.7人に1人が読んでいる本なんて、
現代にはほとんど考えられないですね。
福沢諭吉の『学問のすすめ』のいかにすごいことといったら。
 
ではまた次回のブログ更新もお楽しみに!