2020年11月5日

面接15回のGoogle〜シリコンバレーの旅より

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こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。

今回のコラムから数回にわけて、
ブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が、
以前、念願のシリコンバレーへ旅をしたときの
エピソードをご紹介していきたいと思います。

 

2020年は、新型コロナウィルス/covid-19により、
世界中をパンデミックに巻き込まれました。

少しずつ渡航制限が、
緩和されてきていますが、その一方で、
ヨーロッパを中心に再びロックダウンが行われてしまいました。

私たちが自由に旅をできるのは、
まだまだ先になってしまいそうですね。

 

それでは、江上のエピソードと一緒に
旅(ビジネスツアー・・・笑)気分を味わって下さい。

それでは、早速。

 

やっというか、ようやくというか
念願のシリコンバレーへ1週間ほどですが、
旅ができました。

その旅は、非常に少人数のビジネスツアーで
参加者は全員経営者。

北海道で手広く美容チェーンを手掛けている方、
IT会社経営、美容資材卸会社などの経営者が
参加しました。

私はデザイン思考を勉強している娘と親子二人旅。

スタンフォード大学にあるデザイン思考の総本山
Dスクールの見学が組み込まれていたからです。

誘ったらふたつ返事。
嫌われてなくて良かったです。(笑)

 

サンフランシスコから
小一時間ほど南に下ったところにあるシリコンバレーは、
世界でもっとも有名な先進IT企業の集積地ですが、
シリコンバレーは当然ひとつの街の名ではなく、
いくつかの街があるその一帯をさす言葉だ。

クパチーノ、サニーベル、
パロアルト、サンノゼ、
マウンテンテビュー・・・などなど。

 

この地でまわったり、会ったりしたのは
Apple、Google、スタンフォード大学、
pulg&playというイキュベーション施設、
現地の日本企業、進出している地方自治体
ソニー出身で現地で20年ほどコンサルや
投資家として活動している方など。

Appleは期待したのですが、
ジョブズ時代から超秘密主義で知られる通り、
ビジターセンターという名のガラス状の建物に
入れるだけで、あの巨大な円盤状の新社屋を
遠く望んだだけでした。

円盤状の社屋は、そのビジターセンターにある
iPadを使ったAR(拡張現実)技術を使ったアトラクションで
見ることができます。

円盤状社屋は、ひと言でいえば巨大!

東京ドームの外周の大きさに
ちょうどドーナツ状の巨大な建物を立てた感じ。
広さはなんと26万平米。
ビジターセンターの屋上に上っても
その全貌は分からない。

まるで
時価総額100兆円という企業の大きさを
表しているようですが、
顧客にもう少しフレンドリーな扱いをしてほしいな
というのが正直な感想。

 

さて。同様に訪問して
もう少し内側に触れられた感じがしたのが
Googleでした。

想像通りと言えば想像通り。
しかし、マウンテンビューにある本社は巨大。

信号に「google」と書いてある通りがある。
日本のように高層ビルではないので
低層が街のように広がった場所に3万人!

案内してくれたのは東京・青山育ちの
28歳の日本人社員さん。
元googleジャパンの社員。

IDカードを発行してもらって
観光客が入れない場所にも入ったが
まあ「キャンパス」というだけあって何でもある。

1時間半ほど歩いたが
それでも敷地の1%程度らしい。
敷地内にカフェがなんと100ヶ所!

ビーチバレーコートから
プール、ジム、ゲームセンター、
ショップ、ランドリー・・・。
ほんとに暮らせるように何でもある。

夕方16時についたのだが、
もう帰宅ラッシュで
16時半には建物内の執務スペースには
ほとんど人がいない。

 

つまり・・・。

膨大な量の業務を
みなさんこなしていると思うのだが
さっさと終えて帰っている。
サービス残業という悪習は当然ない。

残って仕事する人は変わり者か
よほどの理由があると思われているようだ。

ま、これはアメリカの企業一般で
googleだけではないが。

 

仕事で重視されるのは
とにかくスピード!スピード!スピード!

質の良いものを少し時間をかけて
出してくる人間より、少し質は低くても
人の半分のスピードで出す人間を評価する。

 

もう一度言います。

仕事で重視されるのは
とにかくスピード!スピード!スピード!

 

「Fail fast」(早く失敗しろ)の精神が
これほど大きくなっても息づいている。
なるほどと思った次第です。

 

社員は5段階評価で評価される。
その5段階のうち、
いちばん下の評価になることが
2回あったらクビ。

たとえば会議で発言しなかったら
もう次からは会議に呼ばれない。
つまり仕事でバリューを提供できない人は不要。
徹底しています。

だから、ある意味、
目立ってなんぼかもしれません。
ここでは存在感を発揮しないと生き残れない。

そう思ったのは
案内してくれた日本人社員さんの名刺に
「Marketing Ninja」とあったからです。

 

最高評価は0.1%程度。
つまり3万人いるgoogle本社でも
30人ほどしか居ないわけです。
ちょっと顔が見てみたい気がします。

ちなみに一般社員の入社面接は7回。
技術系は15回の面接を経て入れるそうです。

 

彼のgoogleアメリカ本社の
面談で出された問題は
雑誌を一冊渡されて「2分間あげるから
この雑誌を見て、改善点を上げよ」
といものだったそいうです。

「日本のgoogleと
アメリカのgoogle本社は
何もかも、まったく、まったく違います!」
と言っていたのが印象的だった。

googleのアメリカ本社の
平均年収は2000万円を超える。

でも、平均年収3000万円というような
企業があるのがシリコンバレー。

なぜ、このような年収が可能なのか?
それはネットは国境を越えて
薄く広くビジネスができるから。

地球上を商圏と考えれば
無料からスタートして100円単位のビジネスでも
巨額の収入を得ることができる。

ただ、利益を横目で見ながらも
人類的な課題、地球上の課題を解決したい!
という熱を抱えた若者が世界中から
無数に集まっている。

 

シリコンバレーの資源は
圧倒的に「人」だ。

 

それを再確認しました。
日本の資源はどうなんだろう?

 

 

いかがでしたか。
次回の更新もお楽しみに!