2020年12月24日
良い戦略と悪い戦略の見分け方
こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
今夜は、クリスマスイブ。
どのようなご予定ですか。
ウイズコロナのクリスマス。
みなさん、おうちでゆったりでしょうか。
さて、今日のコラムでは、
ブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が、
「良い戦略と悪い戦略の見分け方」についてお伝えします。
それでは、早速。
★
戦略ってすごく重要じゃないですか?
改めていう事でもないのですが。
ちょっと必要があって、
本棚から久々に引っ張り出して
読んだ本があります。
「良い戦略、悪い戦略」
“戦略の戦略家”と呼ばれる
世界的な戦略の大家である
リチャード・P・ルメルトの本です。
この中で
悪い戦略とはどういうものか、
ということをルメルトが書いています。
ルメルトが考える
悪い戦略の特長とはどういうものかを
同書から引用してみましょう。
※引用文は抜粋です。
まず、4つの特長を上げています。
以下のものです。
1)空疎である
わかりきったことを必要以上に複雑に見せかける。
中身のないことを厚化粧で覆いかくしている。
2)重大な問題に取り組まない
企業の前途に立ちはだかる重大な問題や
困難な課題が認識されていないのである。
~ そこにあるのは立派な目標と、予算を投じて
がんばろうというプランだけである。
3)目標を戦略ととりちがえている
ほとんどの企業では、基本的に業績予想に
基づいて三年あるいは五年単位の継続的な
予算を組むことをプランニングと称しているからだ。
~ これらは戦略ではない。
なぜなら、より上をめざす道筋を
見つけられないからである。
4)まちがった戦略目標を掲げる
リーダーは、組織としての理想や価値観や
期待を表す「努力目標」あるいは「最終目標」と、
戦略実行のための「戦略目標」を
明確に区別することが望ましい。
そして、なぜ、こうした悪い戦略が
はびこるのか、その理由を述べています。
「つまり、悪い戦略は、良い戦略を
練り上げるためのハードワークを
自ら避けた結果のである。」
「なぜ、避けるかと言えば、
考えるのは大変だし選ぶのは
むずかしいからだ。」
しかし、、、
「相反する要求や両立し得ない
価値観の中から選択をすることこそ
リーダーの仕事であり、
それを放棄するとなれば、
悪い戦略しか生まれない。」
さらに、、、
「悪い戦略はまた、お仕着せの
穴埋め式テンプレートからも量産されている。
~ 自社が直面する状況を見きわめ、
どう対処するか考えるという作業をせずに、
手順に従っているうちにお手軽に「戦略」が
できあがっていく。」
そして、、、
「悪い戦略を生むもう一つの源泉は、
アメリカの宗教運動ニューソート(New Thought)
から派生したポジティブ・シンキングに
代表される思考法である。」
容赦ありませんね(笑)
でも、
ルメルトが上げているポイントは
まことにもってその通りです。
そして、良い戦略をつくり、
実行するには、この「逆」をやればよい、
ということに気づかされます。
それはまとめれば、
以下のようになるかと思います。
1)徹底的に現実に即し、具体的であること
2)もっとも重大な問題に取り組むこと
3)予算目標と戦略目標を明確に区別すること
4)リーダーは厳しい条件の中で選択を行うこと
5)あくまでデータと事実に基づき戦略を組み立てること
6)冷静な現状認識の上で情熱をもって取り組むこと
本書の冒頭に、
「戦略の基本」のことが書かれています。
これを引用して、
今日のコラムを終わりたいと思います。
『戦略の基本は、最も弱いところに
こちらの最大の強みをぶつけること、
別の言い方をするなら、
最も効果の上がりそうところに
最強の武器を投じることである。』
良い戦略を、私が、そして
あなたがつくれますように!
★
いかがでしたか。
次回の更新もお楽しみに!