2020年10月14日
権力の取り扱い説明書
こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
今日のコラムでは、
ブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が、
『日本式システムの最大の欠点である、
「自己変革」にはとんかつにキャベツが必ず付くように(笑)
セットで必ず「リーダーシップ欠如」が付いてきます』
とリーダーシップについてお伝えします。
それでは、早速。
★
日本は珍しく、コロナで
政治とか行政への信頼が大きく下がった
世界でも珍しい国です。
緊急時にこそ、
その国の特性が現れます。
素晴らしい民度を持つ国だと私は思いますが、
なぜか、その知恵が集積するはずの
政治・行政では、ままうまく行っているところも
あるけれど、がっかりすることの方が多い。
リーダーシップがとても弱い。
はっきり言って。
東日本大震災や、その他で繰り返された
対応の遅さや硬直化した発想などは
長い間、改まっていませんし。
これは数少ない例外を除き、
日本の歴史で繰り返されてきていることです。
この欠点は
私たち日本人の中の何らかの特質の中に
いっしょにビルトインされている、
としか考えようがありません。
進化という視点で考えてみるなら
強烈なリーダーが必要な状態が
ほとんど発生しなくてもよかったとも言えます。
それで2000年近く、
旧石器時代からなら12万年近く
やって来れたのです。
端っこの島で、敵はいないし。
敵も海があってなかなかやってくるの大変だし。
攻めても得がなさそうだし。
で、12万年。
やっとリーダーらしきものが
現れるようになったのは、
500年ほど織田信長などが
活躍しだした頃から。
でも、世界史的な視野で
考えるリーダーって
幕末から明治維新前後にしか
生まれていません。
つまり、私たちには
必要なかったとも言えるのです。
もう、ずーッと。
そりゃ、組織づくりも超下手だし、
リーダーシップも取れないし、
責任がうやむやになるような衆議の仕方だし。
下手で、きてたんですね。
ただ歴史を見渡せば分かりますが
悪魔のような最悪のリーダーは
いくらでも生まれています。
たとえば、スターリン。
旧ソ連の第二代最高指導者です。
大粛清と言われる、
200万人を粛正つまり殺した
と言われる恐怖政治の代名詞のような人間です。
モンスターのような人間ですが、
リーダーシップの強烈な逸話があります。
それは彼が亡くなったとき、
かれに投獄され最悪の目に合った人でさえ、
偉大なリーダーを失ったと言って
嘆き悲しんだという逸話です。
これは、ある意味、
リーダーシップの極北です。
他にも思い浮かぶのは
ヒトラー、ポル・ポト、
ミロシェビッチ、チャウシェスク、、、。
その国に生まれたのを呪うような
最悪のリーダー。
お隣の中国も3千年の歴史上で
何人もの残虐なリーダーを生んでいます。
こうしたリーダーは日本史には、
ほとんど居ないと言っていいでしょう。
日本には徹底的な悪が生まれないのです。
あれだけ人を殺した信長でさえ、
なんか可愛げのあるリーダーに思える。
(ま、イメージですが)
とにかく、強烈なリーダーを
必要とする社会ではないようなのです。
そういう意味では幸せです。
ただ、非常時になると
その反作用が生じてしまう。
この反作用を限りなく少なくしながら、
リーダーシップをどう作り上げるのか。
これは民族として権力をどう定義し、
どう取り扱うのか、という問題に他なりません。
権力をだれに、どう与えれば、
それは適切に取り扱われ、最大多数を
より幸福な状態へと導くのか。
権力の取扱説明書、権力のトリセツ。
リーダーシップを考えるときに必須になるのは
このトリセツなのです。
この話は長くなりそうなので、
続きはまた別の機会に。
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いかがでしたか。
次回の更新もお楽しみに!