2020年7月22日

問題は私たちを助けに来ている

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こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつも、お読みいただき、ありがとうございます。

今日のコラムでは、ブランド戦略コンサルタントの江上が、
「現場も、実は、経営陣もがんばっている。
なのになぜ、機能不全のままなのか」と問います。

それでは、早速。

 

 

いろいろなクライアントに
会うたびに思うのが
「みんな勉強している」「能力は高い」
ということです。

時代の流れも把握しているし、
場合によっては最新のマーケティングや
海外のトレンドもしっかり認識している。

そして、話してみると
みなさん能力が高いと感じます。

 

しかし、面白いのは
それがマイクロマネジメントには
生かされているのに、
会社全体のビジネスとなると
生かされない。

というより、
どちらかというと
その勉強具合や能力の高さが
「邪魔をされている」感じがして
しようがないのです。

自分たちの事業のダイナミズムや
新規事業、仕組みのイノベーションに
何もつながっていないのです。

ひとことで言えば、、、、

「機能不全」

 

こうあるべきだ、という像はある。

しかし、それを実践、実行するための
具体的なステップが見えない。

あるいは、
具体的なステップは分かっても
あちこちで齟齬(そご)と摩擦が生じて
立往生しているようなのです。

外から見ると
とても中途半端に見えます。

 

現状維持であり、
このまま行くと老衰のように
どこかで息絶えるのではないか。

現場も、実は、経営陣もがんばっている。
なのになぜ、機能不全のままなのか。

きょう、たった一つだけ言うとするなら
それは「本当の問題から目を背けていませんか?」
ということです。

 

「上司に理解がない」
「経営陣が時流を把握していない」
「現状維持の判断が多い」
「社員の意識が低い」
「意欲がない」
「良い事業アイデアが上がってこない」
「チャレンジしようとしない」

 

これは表面に見えてきた「問題」であって、
本当の問題はもっと違うところにあることがほとんどです。

 

たとえばよくある
「社員の意識が低い」「意欲がない」などは
数字ばかりを追いかける経営で
社員が自らをモチベートする企業の未来像がない。

そして、またヒエラルキーの強い組織で
上司が「白」と言えば黒く見えても
「白」と言わざるを得ない場所では
意識を高くする、意欲を高く保つことなどできません。

さらに、その淵源を探っていくと
10年前の軍隊風の営業でつかんだ
「成功体験」があるのかもしれません。

会社の上層部が
時代状況やマーケットの条件を振り返らずに
その成功体験を単純化し、
「総員のがんばり」が成功を手繰り寄せる
と思いこんでいることに
もともとの原因があるかもしれないのです。

 

つまり、ここでの問題解決は
「問題は私から発しているかもしれない」
という意識の転換が求められているわけです。

 

現実の企業内部ではもっと複雑な
要因がからまっていると思います。

ただ、覚えておいて欲しいのは
「問題に本当に向き合うなら、問題は私たちを助けてくれる」
ということです。

 

問題は私たちを助けにきている。

そこから出発してみてください。

 

 

いかがでしたか。
次回の更新もお楽しみに!