2024年6月1日

人類は農耕を始め文化を生み出しはじめる

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こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。

今回はブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が
「人類は農耕を始め文化を生み出しはじめる」
というテーマでお話しします。
前々回に取り上げてお話ししたテーマ
「人類はなぜアフリカを出て世界へ散っていったのか?」
つづきになります。
 
それでは早速どうぞ!
 
 


 
 

きょうも、ちょっと壮大な話です。
 

人類が5~6万年前に出アフリカをし、
数万年で地球全体に広がっていった。

そして、それは人類の
「好奇心」からではないかと。

前々回のブログでそんな話をしました。
 
 
この好奇心、サルなどの
哺乳類にもありますが
人間の好奇心の強さは並外れています。

これは人間で大きく発達した
大脳新皮質と関連していると言われています。
 
 
そして、その好奇心に押されて
人類は地球の隅々まで広がって
その土地で固有の言語と文化を育み始めます。

これが後期旧石器時代
約3.5万年前~約1.2万年前のころ。

世界地図を広げてみるとわかりますが、
人類は4~5万年間の
「拡散の時代」を過ごしたのです。

 
 
その後、新石器時代、
紀元前8000年~4000年ごろから
農耕や家畜の飼育が始まります。

地域を点々としながら狩猟する生活から
定まった土地に集住するという形に
変わっていったのですね。

英語のCulture(文化)が
ラテン語の「耕地を耕すこと」の意である
「agri‐ 土地、耕地 +cult�+ira 耕作」
から来ていることは有名です。

農業:Agricultureから
Cultureが生まれます。
 
 

農耕を行って、集住することが、
そして宗教や政治や暦や社会制度、
技術の進化を生み、
何かを専門にする人々を生み出しました。

そして、各地の集住の固有性を
土地土地の「文化」と呼ばれるものにまで
高めていったのです、

これが「定着の時代」です。
 
 
まとめるなら人類は出アフリカにより拡散した後、
世界各地で、その土地土地の気候風土に応じた
「文化」を形づくります。

これは、一定の条件設定下で
「人間が生きるとはどういうことか」
その可能性を追求する「実験」だと仮定できます。

地球上のあらゆる土地で
人類は無数の実験を繰り返したのですね。
 
 
 

話は変わりますが、
人間にはダンバー数というものがあります。
 
ダンバー数とは、
オックスフォード大学の
人類学者ロビン・ダンバー教授が
1993年に提唱した理論数です。

人間がお互いを認知し、
安定的な社会関係を維持できるのは
150名程度であるというものです。
 
 
この数は、
サルと類人猿の脳の大脳皮質の容量と
彼らの暮らす集団の規模が相関していることを
発見したことから、それを人間にあてはめて
ダンバー教授が推定した数字です。

実際に、年賀状をやりとりする数や
携帯電話のアドレス帳など
平均を取るとだいたいこの数字に
収まることがわかっています。
 
この150名という規模の集落的なものが
つながるようになって、紀元前5000年前ごろから
都市的な性格をもった集落が生まれるようになります。

「文化」の洗練と高度化が始まります。

人類の実験が次のステージに入ったのですね。

 
 
この話、もう少し続きます。

また次回の週末に。
 
 


 
 

いかがでしたか。

出アフリカ後、固有の文化と言語を得て、
(もうこれだけですごい…)
農耕や家畜の飼育をはじめ、
(このアイデアもすごい)
そして宗教や政治や暦や社会制度、
技術の進化を生み…
(ここもすごい)
いろいろ発展して今に至る、と。

今、じぶんがここにいることが奇跡に思えます。
ただ平凡にここという場所に存在しているだけですが。

私たちのDNAは
かなりすごいのかもしれない。

 
ではまた次回のブログ更新もお楽しみに!