2024年7月6日

「理念を創る」と「顧客」の関係

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こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
 
今回はブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が
“「理念を創る」と「顧客」の関係”
というテーマでお話しします。
 

それでは早速どうぞ!
 
 


 
 

この前、ワークショップの中で
「企業の理念を開発するときに
顧客の存在はどう考えるべきなのですか」
という質問がありました。

 
あなたは、理念開発
ビジョン、ミッション、パーパスなどの
策定において顧客はどう考えるべきだと思いますか。

ビジネスは顧客が居なければ存在しません。

一にも二にも重要な存在です。

 
 
しかし、あえて言うなら
理念を考えるときには顧客のことは忘れてください。

もう少し強めに言うなら・・・
「顧客のことは考えるな!」です。

理念を新しくする、
あるいは理念をはじめて創るときに
見つめるのは顧客ではありません。

 
 
ビジネスは問題解決です。

誰かの問題を解決できると考えた人が
無謀にも立ち上げるのです。

需要とは問題を抱えた人の量です。

こんな需要が予想できる、
こんな市場があるに違いない。

そう考えてビジネスを立ち上げます。

どんなビジネスも立ち上げるときには
顧客は存在しません。

でも、そのときに最も純粋な
創業の志が生まれます。

それが、それこそが理念の種です。

 
 
井深大さんがSONYの前身の
東京通信工業を立ち上げたときに書いた
設立趣意書があります。

有名なのでご存じかと思います。
 
 
会社創立の目的

一、真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき
  自由闊達にして愉快なる理想工場の建設
一、日本再建、文化向上に対する技術面、生産面よりの活発なる活動
一、戦時中、各方面に非常に進歩したる技術の国民生活内への即時応用
一、諸大学、研究所等の研究成果のうち、
  最も国民生活に応用価値を有する優秀なるものの迅速なる製品、商品化
一、無線通信機類の日常生活への浸透化、並びに家庭電化の促進
一、戦災通信網の復旧作業に対する積極的参加、並びに必要なる技術の提供
一、新時代にふさわしき優秀ラヂオセットの製作・普及、
  並びにラヂオサービスの徹底化
一、国民科学知識の実際的啓蒙活動

https://www.sony.com/ja/SonyInfo/CorporateInfo/History/prospectus.html

 
 
ここに書かれているのは・・・
 
私たちはどう世界に貢献するのか
私たちはどういう存在であるのか
私たちは何をすべきなのか

それだけなのです。
 
顧客を獲得するとか、お客様のために、
という言葉はないのです。

もちろん世界に貢献すると言った意味で
顧客の役に立つことは書くまでもない
前提として作成されていると思いますが。
 
 
理念を創るときに見つめるのは
自身の内側にある「志」です。

その「志」の種を見つけることに
全力を注ぐことが「理念を創る」
という作業なのです。

「志」は顧客の中にはありません。

自分自身の中にしか見つけられないのです。

 
 


 
 

いかがでしたか。

自分の心の中にある志。

世の中を動かすのは、
自分の内にある志というエネルギーなのですね。

 
ではまた次回のブログ更新もお楽しみに!