2021年2月8日

脳を休ませるとメタ思考

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こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。

今日のコラムでは、
ブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が、
「脳を休ませるとメタ思考」についてお伝えします。

それでは、早速。

 

 

「発明はすべて苦し紛れの知恵だ。
アイデアは苦しんでいる人のみに与えられている特典である。」

これはHONDAの創業者
本田宗一郎さんの言葉です。

 

突破口、
つまりブレイクスルーは
あなたの考えることの中にはありません。

なぜか、その外にあるのですね。

 

アイデアを考えるときに苦しいのは
あなたのいつもの考える“クセ”の中から
出ることがなかなかできないから。

この考えグセを「思考の枠組み」と言いますが、
ここから一歩外に出るというのは
お釈迦様の手のひらを孫悟空が出られなかったように
意外にできないことなのです。

 

たとえば私は
他の言語で自由に使えるものがないので、
(ああ英語をもっと勉強しておけば良かった!
といつも後悔しています(笑))
日本語で考えるという枠組みから
逃れられません。

つまり、外の世界を見るときに
日本語、日本人の世界観というサングラスをかけて
見るようなものです。

日本では虹は七色です。

だから、子供のころ、
「あ!虹だ!・・・・やっぱり七色だ!」
と思った経験があると思います。

しかし、国によって虹の色数は違うのです。

オランダは、日本と同じ7色ですが、
アメリカは6色、フランスは5色、
ロシアは4色になります。

たぶん、どの国でも子供たちは
「あ!虹だ!・・・・やっぱり〇色だ!」
と自分たちが親から聞いた色数を
当てていることでしょう。

 

こんな風に私たちの脳は
「それが当たり前だと思っていることを
まったく本人自身が気づかない当たり前意識」で捉えて
思考しているんですね。

アイデアを考えるというのは
この「気づかない当たり前意識」を超えて
思考することなのです。

コツは、
考えたら頭を休ませるということ。

もう一つは
「メタ思考」を試みるということです。

 

なぜ、休ませるかというと
人間の脳は私たちが何も考えていない
と思っているボーッとした時間ほど
活発に創造的な活動をするからです。

読書のとき使う脳のエネルギーは
脳全体のエネルギーの5%程度。

安静時つまりボーッとしているときの
脳のエネルギーは60~80%。
もう桁違いに活発に動いているのです。

だから、アイデアは考えつかれて
ボーッとしているときに生まれるのです。

お風呂とか、トイレとか。

もう一つのメタ思考は
考える視点をひとつあげる、
とでも言ったらいいでしょうか。

 

たとえば私はクリエイティブの会社を
独立時に始めました。

この時、この会社を
他の制作会社がやるように
何かの製造会社のように
「広告をつくってお金を得る会社」
と規定しませんでした。

「広告を通じて
クリエイティブ・サービスを提供する会社」と
自己規定したのです。

ちょっとした違いです。
製造会社ではなく、サービス会社だと。

 

それでうまくスタートを切ることができました。
違いをつくることができたわけです。

これは他の制作会社が無意識に行っている
“クリエイティブ製造販売”的な捉え方を疑い、
もう少し上の意識から捉えなおして
新しい自己規定(ポジショニング)にしているのです。

 

ほんのちょっとした捉えなおし。

これがメタ思考です。

「考えたら休む」と「メタ思考」を
心掛けるとアイデアは生まれやすくなります。

ぜひ、トライしてみてください。

 

 

第176回のヒマラヤFMは、
ブランドづくりのときに
私が心掛けている作法その4です。

それは、未来の種は
過去にころがっています。

勘違いしやすいのは
未来は未来のことを考えないと、
つい思いがちですが、違います。

いま大きな幹があり、葉が生い茂って、
大きな花を咲かせていようと
永遠に、その花が
咲いているわけでもないですよね。

次の花を咲かせるためには
花ではなく、そう、根に水をやります。

なぜなら、未来にある
すべての可能性は
種に仕込まれているからです。

第176回ブランディングの作法-その4:未来の種は過去にころがっている!
https://www.himalaya.com/ja/player-embed/99846/129832532

 

いかがでしたか。
次回の更新もお楽しみに!