2023年1月21日

正確に知ることが解決の始まり

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こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただきありがとうございます。

突然ですが、問題です。

「世界で最も裕福な26人の資産と、
経済的に恵まれない世界人口の下位半分の
38億人の資産の合計がほぼ同じ」

これは正解でしょうか?

この答えは、以下の江上のコラムからどうぞ!

 

 

国際NGOの
オックスファムが1月15日に
とある報告書を公表しました。

オックスファムは、
1942年にイギリスで設立された
貧困克服のために人々を支援する団体。
世界93か国で活動しています。

 

CNN経由ですが、
彼らが今週日曜日1月15日に発表したのは
「世界上位1%の富裕層が
過去2年間で新たに獲得した資産は、
残る99%が獲得した資産の
ほぼ2倍に上る」ということです。

「上位1%の富裕層の資産は過去2年の間に
26兆ドル(約3312兆円)増えたのに対し、
残る99%の層の純資産は
16兆ドルの増加にとどまった」

コロナ禍の2年間でまた莫大に増えたのですね。

 

「非富裕層の多くは苦境にさらされている。
およそ17億人の労働者は、
賃金を上回るペースでインフレが加速する国で暮らす。
世界の貧困層は2020年に激増し、
昨年が貧困層の縮小が滞った公算が大きい」

 

2018年の彼らの報告では、
2018年に世界で最も裕福な26人の資産と、
経済的に恵まれない世界人口の下位半分の
38億人の資産の合計がほぼ同じだということです。

26人を平均するとこの大富豪1人の資産と
下位の1億46百万人の資産が一致します。

 

26人の資産合計は日本円でほぼ150兆円*。
(*当時のドル円レート換算です)
日本の国家予算のほぼ1.5倍です。

どれも、たいへんな数字だし、
確かにある種の問題ではあります。

 

しかし、ひとつ言えるのは、
私たちは、オックスファムのような活動により、
こうした事実を知りえたということです。

「世界がもし100人の村だったら」が出たのは2001年。
もう20年程も前。当時は、たいへんな衝撃でした。

なぜなら、“わたし”の問題として
世界の偏りが語られていたからです。

 

私たちは、知ります。

いかに偏って、
いかに不公平であり、
いかに弱者に対する救済策が貧弱かを。

いかに私たちが世界に対して無知であり、
いかに我が事として考えてことなかったかを。

すると世界のどこかで、
その解決のためのアイデアを考える人が生まれ、
その解決のためのグループを創る人が生まれ、
その解決のために世界に情報を流す人が生まれ、
その解決のためにお金を提供しようとする人が生まれ、
その解決のために政策を立案しようとする人が生まれ、
その解決のためにたくさんの人が動き出すという状況が生まれます

すると解決までには
程遠いように思える日々の中、
解決に向けてジリジリと匍匐前進します。

 

私たちは案外知りません。
「FACTFULNESS」に書かれたように
少しずつは解決に向けて歩み出していることを。

 

たとえば・・・
世界の人口のうち、極度の貧困層の割合は
過去20年でどれくらいになったかというと
「約半分になった」のです。

 

広く、正確に、知ると言うことは
タフに、柔らかに、解決することの
始まりです。

 

 

いかがですか。

「知っている」と思っていたことでも、
私たちは案外、まだ知らないのかもしれません。

ではまた次回の更新もお楽しみに!