2020年12月11日

レイ・クロックと令和のけっこう近しい関係

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こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。

今日のコラムでは、
ブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が、
マクドナルドの創業者レイ・クロックのエピソードを引用しながら、
Amazonのべゾスが、ソフトバンクの孫正義が、
何が他者と違ったのかについてお伝えします。

それでは、早速。

 

 

「マクダァーナルz!」

「???」

「マクダァーナルz!」

「・・・・あ!」

 

英語の発音が日本語とえらく違うことは
ままあることですが、
ずいぶん前にロケの仕事で行った
アメリカの現地で、
このマクドナルドの発音の違いには
少し驚きました。

そう、そんなに違うんだ!
という驚きです。

 

世界中で展開する
このハンバーガーチェーンを日本に持ち込んだのは
藤田田(ふじたでん)さん。

のちにソフトバンクを創業する孫さんが
高校生のときに押しかけ、話を聞きに行って
「君はコンピュターをやりなさい」と
のたまわった伝説の人物である。

その時、孫さんは田さんの秘書に
「藤田さんの本を読んで感激しました。
でも、お忙しいだろうから3分だけ顔を見るだけでいいです。
お邪魔にならないだろうからお願いします」
と電話口でメモをさせ、それをさらに秘書に復唱させて
田さんの面会の約束取り付けることに成功しています。

 

その後、
カリフォルニア大学バークレー校の
経済学部に居たときに
シャープに自動翻訳機を売って1億の資金をつくり、
のちにソフトバンクを成功させたのは
ご存知だとは思います。

 

さて。

マクドナルドは、
ロサンゼルス郊外の
サンバーナーディーノという町で
マクドナルド兄弟が開いていた
ハンバーガーショップが原点です。

ただ、面白いのは
マクドナルド兄弟が
この世界的なチェーンを
創り上げたわけではないことです。

彼らがやったのは
町はずれにあるお客が
わんさか押しかけるたった1軒の
「行列のできるハンバーガーショップ」を
つくったこと。

チェーン展開しようという妄想など
抱いてはいない。

 

ある日。

 

このハンバーガーショップを
見に来た中年男が居たのです。

男は、52歳。

ずっと飲食店向けの
マルチミキサーという機械を売る
ちっちゃな会社の経営者。
レイ・クロック。

自分の会社の
マルチミキサーを8台も購入している
店があるというので
見に来たのだ。

 

レイ・クロックは観察する。

 

見るからには徹底的に見る。
じっと見る。
あらゆるところを見る。

店の隅からバックヤードの動き、
駐車場にゴミが落ちていないことまで観察する。
店員の動き、連携、制服などなど。

 

レイ・クロックは体験する。

 

車の客に交通調査だと言ってインタビューする。
行列に並んで前後の客に聞く。
客になって買ってみる。
食べてみる。

 

レイ・クロックは行動する。

 

さらにはあらかた観察し終えると
マクドナルド兄弟に自己紹介し、
ディナーに誘う。

ディナーの席で、
徹底的にインタビューする。

 

泊った安モーテルで
翌朝起きたときにはもう
“マクドナルド”のチェーン展開の
具体案は出来上がっていたのだ。

 

Amazonのべゾスが
レストランでナプキンにメモしたという
Amazonのビジネスモデル図。

どんな巨大のビジネスも
こうやって「降りてくるのだろう」

アイデアは、一瞬だ。
脳のシナプスの繋がりから瞬間的に生まれる。

 

しかし、重要なのは
まったくもってそこではないのです。

ぜんぜん、そこじゃない。

 

サンバーナーディーノの
マクドナルド兄弟の
ハンバーガーショップを
見に来たビジネスマンは何人もいたはず。

ビジネスのアイデアが降りてきた
“べゾス”的人物も
無数にいたに違いないのです。

いま、この瞬間も日本全国に
ビジネスのアイデアが数百人の頭に
浮かんでいるはずだ。

誰かの伝記や本を読んで
感激した少年も少女も
世界中にいる。

 

重要なのは。

何も偉そうに言うことではないけれど。

思いついたその瞬間から
レイ・クロックも
ジェフ・ベゾスも
孫正義も
彼らは、ただただ、
その瞬間から行動したのです。

 

しがないミキサーの
中年セールスマン、レイ・クロックは
マクドナルド兄弟を口説き倒しに
サンバーナーディーノの町に通い、

ジェフ・ベゾスは
ヘッジファンドの職を投げ捨て
無職となり、妻と
西海岸へ向かい、

高校1年生の孫正義少年は自分の意志で
九州の名門私学・久留米大付設高校を辞め
吐血する父親を置いて、
アメリカへと飛び立った。

 

すべてのアイデアはほとんど一瞬で
降りてくる。

 

しかし、その一瞬のアイデアの
不確かで見通せない可能性を信じて
行動のドアを開けて
走り出すのはごくわずか。

 

自分のことを振り返っても
1000のアイデアで行動したのは
2,3つ?(笑)

 

この星は「行動の星」だそうだ。

 

いくらイメージして
願って、夢に描いても、
動かなければ「画餅」だ。

絵に描いた餅にならないように。

引き寄せをイメージするだけで
終わる人生にならないように。

 

令和の「令」は
象形文字的には、
つまり文字の原義は
“ひざまずいて神意を聞く人”の図。

インスピレーション的に
アイデアが降りてくる姿を
文字にしたもの。

その文字が先頭に来たときことは、
多くの人にアイデアが
降りてくる時代になるに違いない。

だから。

僕らには、そのアイデアを
未来の現実の中に
着床させる義務がある。

問われているのは
行動するのかどうか、なのです。

人よ、動け!

令・クロック!(笑)

 

 

いかがでしたか。
次回の更新もお楽しみに!