2021年2月13日
エガミの基本がわかるコピーライティング
こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
今日のコラムでは、
ブランド戦略コンサルタントの江上隆夫が、
「コピーライティングの基本」についてお伝えします。
江上は、
「世の中の99.999%の人には
必要のないコピーなのです。
捨ててください。」
といいます。
そのわけとはいったい!?
それでは、早速。
★
コピーライターとして
長い間、活動してきましたが
コピーには大きく2種類があります。
ひとつは、いわゆるマス広告の
コピーライティングです。
大企業のコピーといってもいいでしょう。
テレビや新聞あるいはwebから
店頭まで、すべてを一気通貫し、
表現するようなキャッチフレーズなどが
それにあたります。
たとえばサントリーのプレミアムモルツは
いま「神泡。」というメインフレーズと、
「この美しさが、プレミアム。」という
サブフレーズでキャンペーンを展開しています。
こうしたコピーは
他競合商品との差別化をはかる、
つまり自商品だけの魅力をどれだけ強く
記憶に残すか。
そして店頭で、その印象や記憶を
どれだけ思い出させ、買ってもらうか。
ということに徹底的にこだわっています。
一瞬で、
記憶されることに命をかけています。
脳に、ことばを
ピストルの弾のように撃ち込むような
イメージです(笑)。
もう一つのコピーは
個人や中小企業あるいは通販企業の
コピーライティングです。
同じサントリーでも以前わが家の新聞にはさまれたチラシの
メインフレーズは
「同窓会へ行った。
クラスでいちばん美人だった子より、
いまは私のほうが、若く見える。」
サントリーセサミンEXの通販広告です。
先ほどの「神泡。」と大きく違います。
これ、なにが違うのか分かりますか?
文字数が違いますが(笑)
大きく根本的な機能が違います。
それはコピーを読んでから
行動させるまでの時間の違いです。
そう行動までの時間を
どれくらいとるかによって
コピーライティングは
大きく変えなければならないのです!
「神泡。」は
記憶させて行動つまり購入させるまで
かなり時間があります。
速い人は1~2日のうちに
コンビニで商品を手にするかもしれません。
でも、遅い人は下手すると1か月近く
商品を目にしない、手にしないかもしれません。
こっちのコピーは
こうした時間差に耐えるようにつくります。
だから、
1)誰でも意味が分かる
2)誰にとっても新しさがある
3)強く記憶される
こうした条件をクリアする必要があり、
中でも「強く記憶されること」に
こだわって作られています。
それで機能するコピーが
こうしたキャンペーンキャッチなのです。
逆に「同窓会へ行った。
クラスでいちばん美人だった子より、
いまは私のほうが、若く見える。」は、
その場で、少なくとも午前に
このキャッチを目にしたのであれば
午後の3時ごろまでに行動(購入)させる
必要があります。
だから、こっちのコピーは
商品のメリットがめちゃくちゃダイレクトに
想像できるように
具体的に、具体的に作られています。
ある意味、記憶されなくてもいい。
読んだ時に「欲しい」と
すぐさま思ってくれるかどうか
そこが勝負です。
こうしたコピーは、逆に
時間差をつくらせてはいけないのです。
だから「若く見えるようになる!」と
女性の欲望に身もふたもなく、
呼びかけているわけです。(笑)
わたしたちに必要なのは
この身もふたもない、欲求にダイレクトに
ひびくコピーです。
「神泡。」のような
キャンペーンのメインフレーズの開発は
専門のコピーラーター数名が
少なくとも1か月
長い時は数か月をかけて開発します。
え~、「神泡」なんて、
そんなのすぐに思いつきそうじゃん!
・・・と思ったそこのあなた、
だからこそ、こうしたコピーは
難易度が高いのです。
分かるでしょうか?
「すぐに思いつきそう」で
「それまで誰も思いつかなかった」ことを
思いつくって、ものすごく難しいですよね?
こっち方向のコピーは
マス広告を打つ以外はほとんど必要ありません。
世の中の99.999%の人には
必要のないコピーなのです。
捨ててください。
ほとんどの人に必要なのは
お客様の心理を深く理解した
コピーライティングというより
「文章ライティング」の力なのです。
★
いかがですか。
ぜひ、貴社の、あなたのブランディング戦略に
お役立て下さい。
引き続き、今回のヒマラヤFMも
メッセージに引き続きお聴きください。
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ブランドづくりのときに
私が心掛けている作法その5です。
テーマは「2つの未来を考えなさい!」です。
2つの未来って何かというと
ひとつは、現在の延長線上にある未来です。
もうひとつは、そうじゃない、
延長線上にない未来。
短期だとわりに延長線上の未来。
(半年とか1年とか)
それ以上、3年以上だと
未来のふり幅は大きくなってきます。
そして5年、10年、20年と
考えるとふり幅は巨大になります。
つまり、いまの延長線上に未来は無い!
私がブランドづくりで
クライアントにやってもらうのは
この2つの未来を考えて
シナリオをつくってもらうことです。
なぜ、そんな面倒ことを行うのか。
詳しくは今回のヒマラヤFMへ。
第177回ブランディングの作法-その5:2つの未来を考える
https://www.himalaya.com/ja/player-embed/99846/130553153
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次回の更新をお楽しみに!