2020年7月3日

みんなの意見は案外正しいのか

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こんにちは。ディープビジョン研究所です。
いつも、お読みいただき、ありがとうございます。

ブランド戦略コンサルタントの江上が、
今日のコラムでは、群衆の英知から健全な多様性への
やりがいのあるデッカイ課題についてお伝えします。

「みんなの意見は案外正しい」
らしい。

 

意見の平均値をとると、
実はもっとも正しく
答えを出している、
という研究があります。

それも、その分野の
一人の専門家よりも。

 

「群衆の英知」です。

「みんなの意見は案外正しい」は、
そのまま本のタイトルで16年ほど前に、
ジェームズ・スロウィッキーが
書いて出版しています。

 

日本では、角川文庫で
手に入ります。

 

たとえば、
ジェームズ・スロウィッキーが
取り上げている例は
OSの「リナックス」の例。

 

「リナックス」は
フィンランド人のリーナス・トーバルスが
最初は1人で開発したOS。

 

でも、彼が「自由に修正していいよ!」
と言ったことで世界中のエンジニアが
寄ってたかって改善して
素晴らしいOSになったのです。

 

うちの娘が仕事で使っているOSは
この「リナックス」。

 

集合知の素晴らしい例。

 

でも、と考えていくと
ヒットラーは選挙で選ばれている。

 

みんなの意見は
「ヒットラーがいいんじゃない!」

この群衆の英知はどうなんだ???

ぜんぜん、ダメじゃない!
と肘鉄を喰らわしたくなるのだが。

 

この集団の知恵が
きちんと発揮されるには
ひとつの条件があるのです。

それは、
「健全な多様性」
集団が持っていること。

 

ヒットラーを選出した選挙のときの
ドイツ国民の多様性。

たぶん、相当低かったのだろうと思う。

軍事政権下の日本のように。
イタリアのように。

 

民主主義や資本主義は
ある意味、集団の知恵、英知を
引き出すシステムとも言えます。

 

これからのシステムの健全性は
「健全な多様性」が育まれて、
維持された状態のときに初めて発揮される。

 

つまり、最近ガタピシとしてきた
この2つの近代システムの改修には、
どのように「健全な多様性」を
ビルトインし、維持し、育成するか
というさらに基層のシステム改修の
課題が横たわっているのですね。

 

つまり、
開かれたシステムでなければ、
死んじまう、ということ。

やや閉じ気味の現代世界。

やりがいのあるデッカイ課題です。

 

いかがでしたか。
次回の更新もお楽しみに!